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インド ナミダ

ひとは誰も 孤独な罪人
許し合うことが愛
好きなボールペンは「ジェットストリーム」
特定技能人材紹介のNJスタッフです

18年前インドに行きました
一人旅でした
1月半かけてインド中をほっつき歩く予定で
日本からは1日目の宿さえ予約しないで
深夜のデリーに到着しました

私の中でインドと言えばカルカッタだったので
カルカッタにだけは行こうと決めてあって
あとはその時々で行きたいように行くスタイル
あんまりせかせかしたのは合わないので
行けるとこだけ行って見て回ればいいと思っていました

路上で生まれ路上で死んでいく
アンタッチャブル 不可触民 

インドにはそう呼ばれる人たちがいる
旅行者のバイブル「地球の歩き方」で読んで知りました
あれは確かタージマハルのある街アーグラからヒンドゥ教徒の聖地バラナシへ向かう夜行列車の途中の停車駅で
恐らく不可触民と呼ばれるカーストの
一人の男性が車両に入って来て
私の前で立ち止まりました
その男性はまっすぐ私の目を見て
何度も手を口元に運ぶジェスチャーをします
近くにいた乗客のおじさんが野良犬にでもするように
「ハッ」と言って殴る真似をしてその男性を追い払いました

今も完治はしていないのですが
私は長きにわたって中2病をこじらせていて
どの国に生まれるか、どの時代に生まれるか、
どの性別に生まれるか、どの親のもとに生まれるか、
人間は生まれてくるか否か自体も選択することができない
なんで生まれてきた 
なんで生きている
(アンパンマンの歌詞でしょうか)
なんて考えていました

その光景を見た途端

この人の人生って
私の人生って

表現し難い思いがこみ上げてきて
大きな声でわんわん泣いていました
小一時間泣いていました
たくさん人が集まってきて
彼を追い払った乗客のおじさんに
なぜ私が泣いているのかを聞きます
私はヒンディー語が分かりませんが
おじさんは「分からない」「突然泣き出した」
と説明しているのが分かりました
なぜ私が泣いているのか直接私に聞く人もありましたが
私は泣いていて答えることができませんでした

ひとつの魂は50回生まれ変わり
50回目の人生を終えると解脱する
というのを私はなんとなく信じています
いい人生の時もあれば悪い人生の時もある
50回の違った人生を生き、最終的に
プラマイゼロになる
今回の人生で不可触民に生まれたのなら
次回の人生はマハラジャに生まれなくては計算が合いません

たまに二十歳くらいなのに
物凄く人格が出来上がった人がいます
50歳を過ぎていてもいじめっ子の小学生女子
みたいな思考の人もいます

人格の出来上がった二十歳の人は
何度も魂の生まれ変わりを繰り返していて解脱直前の人生を生きている人
いじめっ子の小学生女子みたいな50歳は生まれたばかりの魂の持ち主で
ビギナーだからまだこれから
(自分のことは一回棚にあげます)
と思えばいろいろと納得がいきます
そう思えばラクになれるから
私のことも追い払われた彼のことも
考えなくて済むから
「たましい」「タマシイ」って言ってて
なんだか怪しい占い師みたいですね

先日ボクシングが好きだというある方とお話をしていました
好きなボクサーの話になり
どうしてその選手を好きになったのか尋ねました
「その選手が勝つと思われていた試合で負け
泣きじゃくっているところを見て応援するようになった」


きっと
たくさんの時間を費やして
色んなことを我慢して
心を砕いて
疲労困憊の日があっても
前進あるのみと
努力を続けた
恐怖と戦い
全てをかけた
やっと試合の日を迎えることができたのに
結果を出すことができなかった
試合に負けて男泣きは
いろんな思いが駆け巡って膨らんで
心からあふれてしまったのでしょう

神様だけはその努力を知っていて
上手くいかなくて泣いているのを気の毒がって
ご加護で成功させてくれるなんてことは起きない
泣いたからって事態が好転するわけじゃない


最近の私は
寝ても覚めても頭の中は仕事のこと
考えていた以外の結果もあり得るという前提で
事を進めなくてはいけないというのは
分かっていたはずなのに
悔しくて不甲斐なくて
回っている洗濯機の前で泣いていると
普段はyoutubeを見ている時に声をかけても
返事すらしないこともある娘が
私を探しに来ました
子どもは空気を敏感に察知しますね
私が泣くと娘も泣くから見られたくなかったのに

よく泣く赤ちゃんだったと親に聞かされた私ですが
最近はめっきり泣かなくなって
季節は冬の訪れで大気が乾燥しているのと
肉体は加齢による保水力の低下で
余計な水分なんて
1デシリットルもないと思っていたのに
出るんですねぇ
涙が

泣きながら
ボクサーはそのあと
どんな選手になったのかな
泣いたあと強くなったのかな
なんて知りたくなって
クミコハウスのドミトリーの壁に直接書いてあった
「I LOVE 人生」
の文字を思い出し
そういやインドでめっちゃ泣いたなっていう思い出を
思い出したりなんかしていました

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