漫画の話『預言者ピッピ』~未来を知るのは幸福か?~
さて、漫画の話をしましょう。保険の話なんてつまんないしね。
今日紹介するのは地下沢中也の『預言者ピッピ』、この漫画すごい名作だと思うんですが、会って話した人で知っていた人が今の所いません!ネット上ではたまに…本当に極たまーに話が出るかな?まあそんな漫画です!
あらすじ
確率的に未来を予測するために生み出されたロボット、ピッピは兄弟のように育った少年タミオの死をきっかけに眠りにつく。再び目覚めた時、ピッピはタミオの人生全てを計算し、自分の中で生きていると主張する。そして天災を預言し、難病の治療法を伝え、果ては人の生死、人類の未来を全て計算しつくしたという。ピッピを絶対的な預言者と妄信する群衆、危険視する一部の者。そんな中、突然人語を話す猿のエリザベスが発見される。
未来を知るのは幸福か?
どうです?あらすじだけでもワクワクしませんか?私はこういう話が大好きなんで、なんというかもうテンション上がっちゃいます。特にピッピが冷酷に人や人類の余命を宣告するシーン…この緊張感と迫力、素晴らしい!
そして、冷酷な預言で信者を集めるピッピに対して、これから死ぬ人々に寄り添い救いとなるエリザベス。この対比のセンス、本当にこの作品…最高だな!
余談ですが、この作品の「未来を知るのが幸福か?」というテーマは、荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』のラスボス、プッチ神父の言動と重なります。ちなみに両方とも1999年に始まっており(『預言者ピッピ』のほうが半年くらい早い)、ひょっとしたら荒木飛呂彦がこの作品を読んで、影響受けたんじゃないかなあと私は妄想しています。名前もピッピとプッチ、センス似てないですかね?
まあ、プッチ神父の能力や思想は明らかにフリードリヒ・ニーチェの「永劫回帰」や「超人」のパクリだし、やっぱ違うかな…?どう思います?
20年で2冊!?
この作品、手放しで称賛しましたが実は一つ大きな問題があります!
なんとこの20年で単行本2冊しか出てないんです!しかも最後が10年以上前!?これもう完結諦めた方がいいのかな…あっ、ちなみに作者は生きてますよ。漫画描いてるかは知らないですが。
1999年という世紀末の時代性に大きく影響された作品なのは明らかなので、2000年代になってからモチベーションが下がったのかもしれませんね。7話と8話の間も8年空いてますし。頼むから続きを描いてくれ!頼む!!
まとめ
目に見えた大事件は起こらないのに、恐ろしい事が着々と進んでいるような、何か薄ら暗い世界観。確実に当たる預言という恐怖。ロボットは人の「願い」を理解できるのか?SF好きには無論、漫画が好きな人には誰にでも勧めれる最高の作品です!今すぐ読みましょう!!
最後に私の預言を一つ、「この作品は完結しません!」この預言が外れることを心から祈っています。
本日の漫画紹介でした!