優しさは一度きりで終わるものではなく、繋いでいくもの
「この人に優しくしてもらったから、この人が困っている時は次は自分が助けてあげたいな」
そんな風に思うこと、よくありますよね。
私も「誰かに優しくしてもらったら、その人に返す」そんな風に思っていました。
でもそれだと、その優しさは「その人と自分」だけで終わってしまうものになってしまいます。
先日、仕事で独立したばかりの友人が結構大きな仕事を依頼してくれた人から言われた言葉です。
仕事を依頼してくれた人に「なんで駆け出しのまだ技術も未熟な自分にこんな大きな仕事を任せてくれたり、こんなによくしてくれるのですか?」と聞いたら、
「確かにまだ未熟だなぁとは思うけど俺も最初はそうだったし、俺もまだ新人だった時にやっぱり同じく仕事を依頼してくれたり色々と面倒をみてくれた人がいて、その人に『俺はどうやってこの恩を返したらいいですか』って聞いたら、『俺に返すんじゃなくて、いつかお前がセンスを感じるような下の奴が出てきたらそいつに同じようにやってあげてくれ』って言われたんだよ。だから俺はお前に優しくすることでその人に恩返しをしているんだ。だからお前もいつかそういう奴がお前の下に出てきたら、同じようにしてあげてほしい」と。
誰かに優しくしてもらったから、次は自分が他の誰かに優しくできる。
優しさはふたりだけの関係で終わるものではなく、次に繋いでいくもの。
もしかしたら「優しさのはじまり」は「誰かに優しくされること」から始まっているのかもしれません。
思えば、永遠を生きられない私達は、何を次に繋いでいくか、自分の想いをどのように残していくかを考えながら生きているのかもしれない。
想いを紡ぐ。
優しさを繋ぐ。
自分の想いのカケラを次の人に残していく。
受け継がれていく意思。
過去から今の私達に残されているもの。
「優しさ」はきっとそんな風に大事に受け継がれてきたもののひとつなのかもしれない。
じゃあ、「今の自分が未来に残せるもの」はなんだろう。
もしかしたら、明日のあなたの誰かへの優しさが、その優しさの先にいる人の未来をも変えることがあるのかもしれない。
優しさはなくならない。
優しさは繋がっていくもの。
優しさは連鎖するもの。
「優しさの種」を蒔こう。