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この情報社会のなかで

絵本作家の仲間が、一人は昨日デザフェスに行ったと様子を共有してくれ、もう一人が本日コミティアに初参戦。デザフェスとコミティアが開催される今週末に東京に行けばよかった!と悔やまれる本日。
兵庫県にある自宅で、文学フリマ東京39に出す絵巻物をせっせと作っていた。

そう、実はわたくし、兵庫県民なのである。
そして今日は県知事選挙の投票日であった。兵庫県知事の失職からの県知事選挙だ。
普段、兵庫県って大阪、京都に隠れているイメージだけれども、すっかり世間を騒がすことになり、大阪の友人に「兵庫県知事、どうなん?」と聞かれたくらいであった。
と言いつつ、個人的には兵庫県って決して優等生な県というわけではなく、結構悪いニュースで世間を騒がすイメージでもある。号泣県議も兵庫県議だったし。

ただ今回の件で、自分がメディアにこれからどう関わっていったらいいのかを迷ってしまった。
元々テレビをほとんど見ない人なので、今回の問題も白熱するまでまったく知らない状態だった。
ネットのニュースでちらちら見えだした頃には大きなニュースになっており、一旦目に留まったが最後、ネットニュースを介して騒ぎの様子がどんどん入ってくることになった。
県民として、税金を納めている身としてどうなの?と思われそうだが、正直なところ、政治にはそんなに興味がないし、子育てもしていないので県政が直接自分に影響するところもほぼない。
だからだんだん加熱してくるニュースを見てもどこか他人事で、むしろこんなに叩かれても顔色変えない(ように見える)斎藤前知事の鋼のメンタルに、若干引きつつもすごいなと思うくらいであった。

そして大変お恥ずかしながら、ネットのニュースといってもかいつまんだものでしかなかったので、事件の全容を知ったのは、前知事が失職した後だった。
それもなんとなく見たYouTubeの動画にて、ようやく時系列に事実のみを並べた形で把握したのだった。
もちろん明らかになっている事実のみなので、事件の真相というものは分かっていないし、失職させられた本当の理由もいまいち理解ができていない。
ただはっきり言えるのが、ネットニュースで見る論調とYouTubeの動画(少なくとも私に表示されるもの)で語られる雰囲気は180度違うということ。
このフィールドが変われば見解が真逆になるという状態を見て、いったい何を信じたらいいのか分からなくなって、随分まごついた。

一応、立候補者の討論会の動画も見た。でも政治家なんて取り繕うのが上手そうだし、素直に良さそうと思っても本当かどうかまで判断する能力が私にはない。
そして動画についているコメントではありとあらゆるコメントが載っている。
コメントで自分の意見を固めてはいけないと強く思いつつも、あまりに自分の判断がつかないところで、他の人はどう思っているのかしら…という誘惑にかられて見ればその調子である。

更に、一回討論会の動画を見れば、YouTubeはおすすめ動画として兵庫県知事選に関する動画をどんどん提示してくる。
なんとなくサムネイルだけ見ていると、意見が一方に偏った動画ばかりということに気付き、それが本当にそういう論調の動画ばかりなのか、アルゴリズムによるものなのかが分からなくなる。おそらく後者の方かなとは当たりがつくのだが……

SNSもあまり見ない方ではあるが、ちらほら意見が見えてくる。
どちらの論調にも反応していないため、アルゴリズムとして偏れないのか、こちらは両極端の意見が交互に見えてくるような状態であった。
でもこちらは一般の人の意見ばかりで、信憑性も分からないし、噂話レベルのものも多々あった。その中でも怖いと思ったのは、根拠もないのに断言するのも見かけられること。
素直に読んでいると「そうなんだ」と思ってしまうが、よくよく考えてみたり、反対意見を読んだりしてみると、そういえば根拠は?と思うこともしばしば。

今回の事件、真相がまだ明らかになっていないという状態での県知事の失職、そして選挙となったので、余計に多種多様な情報を見ることになったのだと思う。
自分の住んでいる県だし、それまで良く分かっていなかったという反省も踏まえて、選挙前に色々と読んだり聞いたりしたけれども、ますます混乱してしまった。
こんなにも情報が蔓延する現代において、情報の取捨選択が大事だということは分かってはいたけれども、それをするための自分軸がないと、こうも揺れるんだということを実感した数週間であった。
と同時に、公正さを保つためには、できるだけ多くのメディアから情報を得るべきだし、得ることができたという情報も、アルゴリズムによって偏ってしまっているかもしれないという疑念を持つことも重要だということも、改めて分かった。


とそうこうしている内に、斎藤氏が再選を果たしたというニュースが入ってきた。
県民の民意で再選したのだから、県政を担う人たち同士での足の引っ張り合いをすることなく、兵庫県を良い県にすべく邁進していただきたい。

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