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障がいのある生徒⑤〜温かく見守る生徒と先生に助けられ卒業へ〜
※このお話は、実話に基づいたフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。
合格から入学までの短期間で、準備を進めます。
7 入学後の対応
・全階段に手すりを設置
・洗浄機能付きトイレ2箇所
・移動式階段昇降機の配備
・車椅子を1階と教室階に配備
・職員玄関に生徒用下足箱を設置
学校設置者等関係機関の支援により、学校としてできることに取り組みました。
入学後は、全教職員と全校生徒の理解と行動により、毎日楽しく充実した学校生活を送っていました。生まれて初めて宿泊研修にも行くことができました。専任の引率者を付け、福祉車両を借りての参加で、途中のダムでは自ら「降りる」と言い、記念写真も撮りました。
同学年の生徒もみんな、何の問題もなく受け入れ、時には手を貸し、ごくごく普通に生活できました。陰では、担任はじめ多くの先生が尽力し、「生徒が可愛い」と思うチームで本当に助かりました。
3年間で無事に卒業することができました。本人も保護者もみんなに感謝だったそうです。主治医に卒業の報告に行ったら「奇跡だ」と大声で叫んだそうです。奇跡は起こすことができるのですね。この医師も今回の件でちょっとは勉強になったのではないでしょうか。
また、この生徒が入学したおかげで、全校生徒、全教職員が大変勉強になりました。「人のために」が実際に目の前で起きていたら、刺激を受け、行動する人が増えていきます。
さらに、教職員から「ムリ」という言葉が一切出ませんでした。
たった一人の生徒の希望を叶えるために、数えきれない多くの人々の協力があり、自然と学校の雰囲気が良くなっていく、素晴らしい体験をさせていただきました。皆さんに感謝です。
病気のせいで自分の好きなこと、やりたいことが出来ない生活を続けなければいけない人に「病気だからムリ」と先入観で判断するのではなく、本人の希望に少しでも寄り添い、実現できるようにしてあげられる社会であって欲しいと思います。
完