日本教育経営学会紀要2020を読む_20210815


学校経営論と「教職の専門性」論 のもつれをほぐす ―「同僚性」論から「チーム教育」論へ― 京都教育大学 榊原禎宏

教師の専門性が①「みんな一緒に」や「共同体」のような安易な規範(p.19)の磁場に引き寄せられやすく、②いじめの対処のように状況依存に陥りやすく、自律性を求める傾向にあることを筆者は指摘する。

その傾向に対して、専門性の醸成のために必要な要素として以下を挙げる。

これからの学校で働く教員には,多面的な視野と平和的なコミュニケーショ
ンを支えるメタ認知,事態に対応しうる幅をもった閾値,短時間での意思決定といった業務特性に適う能力が重要である(p.23))

これを専門性とするには弱い。教員をサラリーマンに代替しても差し支えない内容だ。小玉重夫のアマチュアリズム(シティズンシップに拓かれている内容ではあるが)とどう対峙するのかが気になるところ。

画像1

教師という仕事と学校経営組織論
―学校経営の近代化から「学習する組織」へ―
曽余田 浩史

合理性を求める教育スタイルには以下の特徴があり、

技術的合理性モデルは,解決すべき状況を,所与の目的に対して最適な手段
を選択するという「技術的な問題」に還元する。

対症療法的な結論に陥りやすいことを指摘し、技術的合理性モデル=シングルループ学習とし、筆者はダブルループ学習への展開を教育経営に求める。

画像2

「ダブルループ学習の意味や価値を解説!役立つフレームワークは?」より引用

このダブルループ学習の特徴を有するものが、「学習する組織」であり、要素間の相互影響・相互形成のプロセスとその質的変容に目を向けると言う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?