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適応障害のこと8 職場を辞めることにした

適応障害のことについて、最近新しい行動をとった。職場は、あと1年度勤めて、そのあと辞めることを考えていた。理由は次の通りである。

  • 職場環境になじめないことや不満もあるが、それが根本的な疾患の原因ではないと考えられること。職場に着任する前後にあった事件への心理的負担が直接の不調の原因で、今後はそこから時間的に遠ざかること。

  • 前職から否応なく引き継がざるを得なかった業務(兼業で続けていた)に来年度から新しい人が入ることになり、仕事量の負担が減ること。

  • 職場は2年目となり、年間のスケジュールを理解したうえで進められることや、仕事上の新しい資料の準備などへの負担が減ること。

  • そもそも年度末に差し掛かったこの時期に職場を去ることは、周囲への過大な負担となり、その負担をかけること自体が大きなストレッサーになること。

直近の主治医の診察で、そのようなことを相談したところ「あなたの考え方に失望する。無謀だ」と言われた(もう少し柔らかい言い方ではあるが)。「現時点で心身への負荷は緊急入院してもおかしくないほどであり、今すぐにでも休職が必要。新年度から休職というのが、医師としての最大限の譲歩である。そもそもあなたは、自分の健康と職場の仕事のどちらが大切なのか」と。私が「がんばることで、自分の健康が多少悪くなっても、職場に迷惑をかけることはなんとしても避けたい」と言うと、「それこそが病的な思考だ。そもそも、このままいくと、来年度途中で限界が来て、突然働けなくなり、今休職する以上の迷惑をかけるリスクがある。それを理解すべきだ」と。

私は、そのようにたしなめられることを薄々予測していた。職場で事前に相談してた上役の一人からは「もう少し私たちを頼ってもらってもよい」と言われてもいた。総合的に判断して、しばらく仕事を休むという方向性は、すでに覆せない状況にきていることを受け入れざるをえないようだ。

では、休職なのか、退職なのか、ということになる。一般的に考えて、休職のほうがメリットは大きい。まず、一定期間は休職手当があり経済的な保障がある。また、休職中も一応組織の一員であるため、身分的保証もある。さらに、休職中に心身の回復を図り、ある程度健康になった心理的状況で、改めて復職するか退職するかを選ぶことができる。しかし、結論として私は退職を選んだ。その選択を後から振り返って、正しいといえるかどうかは今、まったくもってわからない。ただ、将来的な健康リスクや、自己実現という点からみると、現時点では退職の方に軍配があがったのである。理由は次のとおりである。

  • 健康な状態でも、現在の職場環境に戻ると、結果的に同じことになると思われること(職業上配置転換はなく、全く同じところに戻る。疎外(アウェイ)感、自由度の低い働き方しかできないこと、システム上の不満、自分の考えや判断が採用されにくいこと、など)。

  • 仮に休職すると、コンプライアンス上当然のことながら、本業とは独立して行っている外部との仕事もそれぞれ理由を説明の上、断らないといけない。外部との仕事は収入源としてはわずかだが、私にとっての大きなやりがい(本来やりたかったこと)であり、息抜きであり、貴重な人とのつながりである。これを一定期間とはいえ絶たれることは、今後の人生において大きなデメリットになると考えられること。

  • 現在の職業(本職)を定年まで続けることに対する根本的な疑問が、適応障害を発症する前からあったこと。もっと言えば、組織の中で働く「被用者」という仕事形態が自分の特性に合っているか、ずっと前から考え続けていたこと(とにかく自分で仕事量や内容を判断できる自由が欲しい!)。

それで、数日前、こうした内容を職場や相手の悪口にならないように言葉を選びながら、上役3人に伝えた。いろいろ聞かれたが、おおむね了解いただけた。来週から、人事部署へ具体的な手続きの相談をすることになった。もう後には引けない。後戻りはできない。不退転の覚悟が必要だ。

問題は、今後どう食べていくかということ。上記の決断ができた背景には、妻も働いており、家計における最低限の経済的担保があるからである。しかし、これまで家計収入の2/3を私が担っていたので、一気に家計は1/3となる。住宅ローンのめどがついていることは不幸中の幸いだが、これから数年をかけて、少なくとも現在の収入の半分程度は確保してゆきたい。

療養後は別の組織に再就職という形も考えられるが、なんとかフリーランスでやってゆく方法はないのか、あるとすればどのような業務を受け(少量多品目でやりたい)、どのような準備が必要か、果たして収益は挙げられるのか、そのあたりを今後考えていきたい。

今日は結構な積雪があって、子どもが庭にゆきだるまを作った。お父さんは仕事の選び方を失敗したけど、今は前よりもずっと楽しく仕事をしているよ、と、そう来年言えることを目標にしたい。


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