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金額を上げて利用者を減らす...
フリーランスの庭師です。
スーパーマーケットなどでは「値段を下げて購入者を増やそう」としますが、その反対に「金額を上げて利用者を減らす」というのがありますね。
昨年の東京オリンピックのときの首都高速道路の料金は、通常料金に加えて¥1,000が加算されました。一時的とはいえ、この大幅な料金アップで渋滞を無くそうという考えです。
私は東京に住んでおり、父は千葉県八街市の実家で暮らしています。高齢で一人暮らしのため、月に一度は妻と一緒に様子を見に行っています。
旅行や遊びならば自粛すればよいのですが、心筋梗塞で倒れた経験がある父が心配なので、そうも言っていられません。もちろん高速道路を使わずに下道で行くのも手ですが、都内の道路はあちらこちらで規制されていました。それに時間が掛かります。仕方なく首都高を利用したのですが、往復でプラス¥2,000は厳しかったです。
そして首都高速道路は今回は値上げをしました。理由は渋滞を緩和させるためだとか…。
またJRも混雑緩和のために新幹線の運賃を上げることを検討中だとか…。
よく使われる手法と言えばそうですが、「金額を上げて利用者を減らす」という方法論は正しいのでしょうか?
確かに東京オリンピック時の首都高はガラガラに空いていたので、一定の効果はあったのだと思います。ですがこれはコロナ禍の影響が大きかったとも思えます。
コロナが落ち着きつつある今、値上げをしたからといって首都高や新幹線を使うのを止めるでしょうか?大事な用がある人や仕事で使わざるを得ない人は仕方なく使うでしょう。そして裕福な人は気にしないでしょう。
結局は「経済的に厳しい人を利用させず、それでも売上高はキープする」という事なのでは。
今の世界情勢を考えると値上げは仕方ないとも思えますが、「渋滞を緩和」「混雑を緩和」といった自分を正当化するような言い回しには釈然としないものを感じます。
「金額を上げて利用者を減らす」という手法は、飲食店などの民間企業では決してやらない手法です。この手法を取るのは公共機関だけでしょう。
渋滞や混雑が緩和されるのは嬉しいことですが、根本的に発想を変えるべきではないでしょうか。