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子供たちから見た庭師
フリーランスの庭師です。
庭師の姿って、子供たちには変わってるように見えるみたいですね。
①忍者 ~小学1年生の場合~
以前、樹木の剪定をしていた時に、通り掛かった小学1年生くらいの男の子に声を掛けられました。
「おじさんって、忍者?」
なるほど、確かに姿は忍者に似ている。
頭は頭巾の代わりに手拭いを巻いている。
腕には手甲をしている。
乗馬ズボンの上に脚絆をしている。
地下足袋を履いている。
確かに忍者っぽい。これで鎖かたびらを着ていたら完全に忍者だ。
更にその小学生は
「それって刀?」
と腰に下げた腰道具を指差しました。どうも剪定ノコギリが刀に見えたらしい。
なるほどなるほど。こんな姿で樹木の上にいるのだから、確かに忍者に見えても不思議はない。忍者に間違われて、ちょっと嬉しかったです。
②ピーターパン ~幼稚園児の場合~
幼稚園の近くの施設で剪定をしていた時に、幼稚園児の男の子から声を掛けられました。
「叔父さんはピーターパン?」
「???」
ピーターパンは短剣を腰に差しています。剪定ノコギリが短剣に見えたのでしょう。しかしピーターパンは少年。後にも先にもピーターパン?と聞かれたのはこの時だけです。
③変な靴 ~小学3年生の場合 ~
休憩時間を現場近くの公園で過ごしていた時に、小学3年生くらいの男の子2人が近寄ってきました。
「叔父さんの靴、変な靴。」
「そうか? これは足袋っていう履き物なんだよ。」
「ふ~ん、指は何本あるの?」
「みんなと同じで5本だよ。」
「ふ~ん、変な靴!」「変な靴!」
そういうと2人は走り去って行きました。大きなお世話です。(^_^;)
④工事 ~幼児の場合 ~
個人邸の手入れや庭作りをしているときは頭には手拭いを巻いているのですが、公共仕事の時はヘルメットをかぶっています。
公園の樹木を剪定していた時に、お母さんに抱っこされた幼児がこちらを指差し、
「工事!工事!」
ヘルメット=工事 も分からなくはないですが、既に人にあらず。
⑤カッコいい! ~女子中学生の場合 ~
ある中高一貫の女子校の中庭で高所作業車に乗って作業をしていた時の話。
ちょうど生徒たちは休憩時間になったのか、一斉に教室の窓からこちらを見始めました。そして、
「オジサン、カッコいいー!」
と一人の生徒が声を上げると、次々に
「カッコいいよ~。」
と声が掛かりました。もちろんからかっているのでしょうが、私が手を振ると、
「キャー!、きゃー!、キャー!」
と黄色い歓声。箸が転んでもおかしい年頃。何とも可愛い女の子たちでした。
庭師の姿も変わりつつあります。
手拭い、手甲、乗馬ズボン、脚絆、地下足袋という姿の職人も減ってきました。
なぜなら高木剪定の方法が、安全面からツリークライミングに移行したからです。なので、皆クライミングの格好になりました。
クライミング用のヘルメット、シャツ、パンツ、そしてクライミング用の靴。
私はツリークライミングをやっていないので、昔と変わらぬ姿格好です。
作業に適した格好が望ましいとも思うので、どちらが良いとも言えません。
でも、私はいつまでも "カッコ良い姿" ではなく "粋な姿" で仕事をしたいなと思っています。