【読書記録】旧約聖書:創世記第8章 ノアの方舟編3
大水が四十日四十夜地上に満ち、1年かかってようやく水が引いた話。
神は方舟の中にいたすべての生き物と、すべての家畜とを心に留めた。神が風を地の上に吹かせたので、水は退いた。
淵の源と天の窓は閉ざされ、天から雨が降らなくなった。
水は次第に地の上から引いて水が減り、150日後、方舟は7月17日にアララテの山に留まった。10月1日に山々の頂があらわれた。
40日経って、ノアは方舟の窓を開いてからすを放ったところ、からすは地の上から水が乾き切るまであちこち飛び回った。
ノアは地表から水が引いたか確かめるためはとを放ったが、水があって足をつく場所が見つからなかったので方舟に帰ってきたので、捕まえて方舟の中に戻した。
それから7日待って、再びはとを方舟から放ってみると、夕方にオリブの若葉を咥えて帰ってきた。
ノアは地から水が引いたのを知った。
さらに7日待ってはとを放ってみたところ、はとは帰ってこなかった。
601歳の1月1日になって、地の上の水は涸れた。ノアが方舟の覆いを取り除いてみると、土の表面が乾いていた。
2月27日に地は完全に乾いた。
神に促されてノアと家族は方舟を出た。
「共にいる肉なるすべての生き物を連れて出て、これらのものが地に群がり、地の上に広がるようにしなさい」
獣、這うもの、すべての鳥、すべて地の上に動くものもみな種類にしたがって方舟を出た。
ノアは主のために祭壇を築いて、清い獣と清い鳥のうちから取って、燔祭を捧げた。
主はその香ばしい香りを嗅いで心に言われた、「わたしはもはや2度と人のゆえに地を呪わない。人が心に思い図ることは、幼い時から悪いからである。わたしは今回のようにもう2度と生きたものを滅ぼさない。地のある限り、種蒔きのときも刈り入れのときも、暑さ寒さも、夏冬も、昼も夜もやむことはないであろう。」
【感想】
神の怒りが地上に顕現し、許された者以外は全滅しています。
神は血が暴虐に満ちたとき、自分が生きとし生けるものを造ったこと自体を悔いていました。その後、ノアが燔祭を行ったことによって本当の気持ちを吐露し、もう地を呪わないと宣言します。
イブが勝手なことをしたのがすべての元凶とはいえ、自分の手で生み出したものを破壊しなければならなかった苦悩は伝わってきますね。本文は大水にクローズアップした描写のためぼんやりしていますが、生き物の死に際は凄惨なものだったことが伺えます。
そして動物のこんがり焼ける匂いでほろりとするの、お腹空いてたのかな?と思わざるをえません。食べ物の匂いをかいで生に希望を見出すの、人間味が溢れています。
①「150日」について
太陽暦だと2/17の150日後は7/17になりません。メソポタミア文明では太陰暦が採用されていたようなので(学校で習ったような気もする)、一月を29.5日とすれば計算が合いそうです。
②燔祭
これは生贄としての動物を焼いて神に捧げる儀式なのですが、これをするなら動物2ずつでは足りないから、あとから前章の救う動物の数を7と書き換えたのかもしれないですね。
増える前に食べるんかいと思いましたよね? わたしは思いました。
【調べた単語】
12世紀以降に研究した結果、この山がそれにあたるとされたみたいですね。ノアの箱舟の痕跡があると主張する人もいるそうです。 わたしは信じてないのでなんて言っていいかわからないです。
当時のイラク周辺ではありふれた植物で、かつ大水が去った後に水が引いたことを知らせる舞台装置のため、ポジティブな意味が込められているようですね。
わたしが意味を付けるとしたら「嵐のあと」「白紙に戻す」「贖罪」とかにしたと思います。
神が事前に洪水をおこすことを教えてくれて、かつ逃れる方法についての指示もくれた。神の恩寵に報いるためにいちばん初めにとったノアの行動がこれでした。
自分が何に生かされているかを知り、感謝の気持ちを行動で示す模範のような人物です。レメクの育て方がよかったのかもしれませんね。