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【ニワカ式】あの日、ウクライナが侵攻された本当の理由をぼくたちはまだ知らない

朝日新聞がこんな問いの立て方をしていた。

ロシアはなぜ、「兄弟国」とも言われた隣国に侵攻したのでしょうか。

かつての「兄弟国」なぜ攻撃? プーチン氏が離したくないウクライナ

妙に「兄弟国なのに」を強調するのが朝日新聞である

もちろん、ロシアの反戦デモに参加していた人もインタビューで「ロシアとウクライナは兄弟なのになぜ殺し合わなくてはいけないの!」みたいに嘆いたりする。ゼレンスキー大統領も、プーチンの「ロシアとウクライナは歴史的一体」という論文に苦苦しげにしながらも、この両国の関係を「カインとアベル」といっているほどだ。そうして、「わが兄弟!」と叫びながら侵攻してきたのがロシア軍である。

なるほど確かに、この戦争こそ皮肉にも、同じスラブ人のロシアとウクライナの「民族気質」が「兄弟」のように似ていると証明したのかもしれない。ナポレオンからヒトラーまで当時の欧州最強陸軍に侵攻されても、防衛戦の(愚鈍なばかりの)諦めない粘り強さといえば、ロシア人なのだ。だが、そのロシアの圧倒的な兵力に攻められても、国土防衛戦で鬼神の強さをみせつけているのが、今のウクライナ人である――「スラブ人がスラブ人を攻めてスラブ人に逆襲されている」感じすらするほどだ。

さて、もちろん貴方はお気づきだろう。「かつての兄弟国なぜ攻撃?」もなにも、朝日新聞がいっていることは、リベラル系の新聞社のくせに、ずいぶんとまあ「家族」というメタファーの危険性を全然感知していないことに。「兄弟だからなぜ」なのか「兄弟のような関係と考えてしまったせい」なのか、要するに私達が理解しなければいけないのは「多くの人が家族的な関係とみなした」ものの危険性だ。

国家や民族を、私達が、こうした「家族」のメタファーで思考することとは一体どのような意味をもつのか。

これからちょっと大切な話をする。これは戦争に限った話ではないのだ。私たちの身近な職場や学校で、誰かが不当に干渉されたり、暴力をふるわれるときに、そこには常に前兆となる嫌な「空気」がある。そして、必ず共通した論理がある。

その論理が作り出す「空気」こそが、ウクライナという主権国家から、権利を取り上げようとして戦争がはじまった。あの日、ウクライナが侵攻された本当の理由をぼくたちはまだ知らない――それが、どういうものかといえば――

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