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辛辣な「お客様の声」に役割語を足すことでマイルドになるのか!?

こんにちは。にわか雨です。

皆様はスーパーの端っこなどにある「お客様の声」を見たことあるだろうか?店舗に対するお客さんの意見が「声」として紙に貼りだされている。
そこには正当な意見や優しい意見もあるが大半は辛辣な意見やクレームだ。

最近私が見た「お客様の声」は、「定番商品がないなんてお客様に失礼です!」とか「昨日買った肉の脂が多すぎる!」などそこそこ理不尽に見える辛辣な意見の数々であった。店長さんや店員さんも大変やなぁと思う中、ふとあることを思いついた。

「語尾に♡を付けたら可愛くなるんじゃね?

実際に♡をつけてみよう。

定番商品がないなんてお客様に失礼です♡

昨日買った肉の脂が多すぎる♡

ちょっと可愛くなった…気がする!

「♡をつけてちょっと可愛くなるんなら役割語を足せばもっとマイルドになるんじゃねーの?」頭の中でそのような仮説を見出した。

そもそも役割語とは一体なんなのか?

役割語とは…話者の特定の人物像(年齢・性別・職業・階層・時代・容姿・風貌・性格など)を想起させる特定の言葉遣いである。(Wikipediaより引用)

これだけじゃよくわからないと思うので、例を。

A「わたくしはこの町に住んでおりますのよ。わたくしはこの町が大好きですわ。」
B「わしはこの町に住んでおるんじゃよ。わしはこの町が大好きなんじゃ。」

AとBはどのような人物を想起したでしょうか?おそらくAはお嬢様、Bは老人をイメージしたのではないでしょうか?これらのように特定のキャラクターと結びついた、特定の“話し方”のことを「役割語」と呼びます。

この役割語を「お客様の声」に当てはめれば、アニメや漫画の人物からのクレームみたいになって、リアリティが薄まって不快な気持ちになることはないのではないか。実際にやってみよう。

お客様の声「レジの店員がポイントカード持っているか聞かずに会計された!私は持ってたのに不愉快だった!」

このよくありそ~な「声」をベースに役割語を当てはめていきます。まずは、お嬢様から。

お嬢様の声「レジの店員がポイントカード持っているか聞かずに会計されましたわ!わたくしは持っていたのに不愉快ですわ!」

えらく庶民的なお嬢様になってしまいましたねw ちょっと面白いけどマイルドになったかと言われるとどうでしょう。そこそこムカつきますねw
あと「~ですわ!」が関西弁話者に見える気も…
次はご老人。

ご老人の声「レジの店員がポイントカード持っているか聞かずに会計されたんじゃ!ワシは持ってたのに不愉快じゃった!」

普通にムカつきますね。何喚いてんねん、しばくぞの領域ですね。
うーーーん。お嬢様といいご老人といい実際にいそうな人の役割語だと不愉快になるのかな… 思い切ってお侍さんにしてみるか。

お侍さんの声「レジの店員がポイントカード持っているか聞かずに会計されたでござる!拙者は持ってたのに不愉快でござる!」

全然ムカつかないですねw 余裕ですね。かかってこいよレベルですね。もうお侍さんは絶滅したに等しい(はず)ので「こんなやつおらへんやろ~w」「ジョークやろw」っていう風になりそうですね。
一応宇宙人でやってみますか。

宇宙人様の声「レジの店員がポイントカード持っているか聞かずに会計サレタ!ワレワレは持ってたのに不愉快ダッタ!」

怪文書かな?カタカナ多用されると恐怖を感じますね。不愉快ではないのが良いポイントだとは思うんですが…これを実際にやりそうな人がいるから怖っ…て思っちゃうんでしょうね。
最後にプリキュアとかの隣にいる妖精で試してみましょう。だいたいこの妖精の一人称は「その妖精自身の名前」か「ボク」か「アタシ」で、語尾は「その妖精の名前の一部」です。ソースは女児アニメ好きな私です。「ヨウセイ」ちゃんという名前の妖精で行ってみましょう。

ヨウセイ様の声「レジの店員がポイントカード持っているか聞かずに会計されたヨセ!ヨウセイは持ってたのに不愉快だったヨセ!」

頭おかしい…

結論からすると、話者の実在性の問題と実際にありえそうな場面かどうかがカギになりそうですね。実在性が高い話者の声だと不愉快な気持ちになるし、だからといって実在性が低い話者の声が一概にマイルドになったかと言われると微妙なラインである。実際にお侍さんぐらいしか安心して見れなかったし…
宇宙人と妖精の場合、実在性は低いが実際にやる人がいそうなので恐怖と狂気を孕んでいました。上手いこと言語化するのは難しいですが、まだまだ検証の余地はありそうです。

最後に、これだけは言っておきたいことがあります。店員さんには優しくね。一応「お客様の声」ってのがあるけど何書いてもいい訳じゃないので。


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