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この寂しさが唄みたい

谷中のカヤバベーカリーはけっこう以前にお店を辞めたのだけど、現在は根津のパンという屋号に変えて復活しているらしく、気になっていたので、グーグルマップスにチェックしておいた。しばらく放置してから、足を運んだが、あまりにも雰囲気がよすぎて、中に入ることができなかった。

対面販売でパンを選ぶというのが、なかなかに力を要する。半端な気持ちで買い物にきた自分がまあわるいのだが、<強い欲しい>がないと気後れのほうが勝る。素敵なベーカリーに出向くときは、「アメ横なんだ、ここは」というスイッチを入れるよう、心がけよう。今度から。

せっかく谷中にきたのだから、と喫茶店に入ろうと、しかも行ったことのない喫茶店に入ろうとした。写真家になったつもりで、町の断片をフレームインしていたら、あっさりと新しい喫茶店をみつけることができた。どこかの記事で知るのではなく、嗅覚で素敵な店を射止めること、それは、以前は自然にできていたのに最近ではイマイチ上手にできなくなっていたことの一つだ。

素敵な店をみつけてしまうと、無性に誰かに会いたくなる。遊びたい。
人生において、この感情とはまあなんと愛おしいことか。

<これを達成したら>、彼/彼女と会おう。そんなめんどくさい目標をつくって、自分はいつも煮詰まっている。ハードルを上げている。それは悩み相談をするのが苦手ということもあるのだけど(そもそも、しないのだけれど)。友情について、今はなんだかこじらせている。そしてきょうも、春に近づいている。

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