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企業物価指数、1月4.2%上昇 コメ高騰の影響続く
日銀が13日に発表した1月の企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は125.3と前年同月比で4.2%上昇し、24年12月(3.9%上昇)から伸び率が拡大した。民間予測の中央値よりも0.2ポイント高く、23年6月(4.5%上昇)以来の大きさとなった。コメを含む農林水産物の高騰が続いていることが影響した。
企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示す。サービス価格の動向を示す企業向けサービス価格指数とともに消費者物価指数(CPI)に影響を与える。今回、24年12月分の前年同月比上昇率は3.8%から3.9%に上方修正になった。
1月の内訳を見ると、農林水産物が前年同月比で36.2%上昇と24年12月(32.9%上昇)から伸び率が拡大した。コメの価格高騰の影響が続いている。背景には、肥料や輸送費、人件費などの諸コストを価格に転嫁する動きがある。鳥インフルエンザにより鶏卵の価格が上昇したことも押し上げに寄与した。
電力・都市ガス・水道は11.1%上昇し、高い伸び率が続いている。再生可能エネルギーの普及のため国が電気代に上乗せしている再エネ賦課金が24年5月から引き上げられたことが前年同月比プラスに寄与した。
輸入物価指数は円ベースで2.3%上昇し、24年8月以来の高い伸び率となった。原油市況や為替が円安方向に動いた影響により全体が押し上げられた。
企業物価指数は1年7カ月ぶりの上昇率となったが、背景は大きく異なる。23年前半ごろはウクライナ情勢の悪化などによる原油価格の高騰が主因だった。