悪夢書き起こし 「消失駅」
夢なのでオチもなにもありません
午後2時くらいに、小5の妹を連れてドライブに行きました。
自分は寄り道をせず、家に2番目に近い駅に着きました。
1kmほどの距離のはずですが、辺りはもう夜になっていました。
住宅地の中にあるはずですが、自分の車と駅のホーム以外に明かりはありませんでした。
周りに音はなく、風もありませんでした。
自分は車から降り、妹と手をつないでホームに向かいました。
電車が来ないため、自分は妹の手をとったまま線路を伝って南の方角へと歩き始めました。
南の方角はわが家がある方向で、少し古めの住宅地のはずですが、家がどんどん減っていきました。
いつの間にか自分たちは土手のようなところを歩いていました。
周りには掘っ立て小屋のような真っ黒になった家がポツポツ見られ、空からは星が消えていきました。
それでも歩を進めていくと、草原の遠くの地平線上から、高さ3mほどの草の壁が近づいてきているのがわかりました。
その方向に顔を向けると、草の壁は止まりました。
それはバレないように近づいてきているようでした。
自分たちはそれでもどんどん南へ歩いていきました。
いつのまにか、草の壁は20m先くらいまで近づいてきていました。
逃げないとと思い、妹の手を握り直して妹の顔を見ました。
妹は泣いてました。
そのとき、自分はふと我に返りました。
いきなり駅から歩き始め、どこ行くのと聞いても何も答えてくれず、狂ったように得体のしれない場所を歩き続ける兄を見る妹の目をしていました。
自分はとにかく戻らないとと思いました。
なんでこんなところまで来てしまったのか、まったくわかりませんでしたが、車がある駅まで戻れば助かると思いました。
しかし、あの駅の名前が思い出せません。
妹に何駅かどうか聞くと、
「○○駅」
いつの間にか、自分は水たまりの中で倒れていました。
溺れると思って急いで体を起こすと、近くで同い年くらいの白い服を着た女性が2人、同じように体を起こしているところでした。
周りを見渡すと井戸の底のような景観の場所で、周りは石ではなく枝のない木が集まって壁になったようなものでした。
木の足元はマングローブのように水面から根が浮いていて、上を見ると20mくらい上から木漏れ日が垂直に入ってきていました。
広さは直径4mくらいの円で、水深5cmくらいの水に浸かっていました。
妹を探して駅に戻らないと、と思い周りを見渡してると、起き上がった女性が耳元まで近づいてきて言いました。
「消失駅」
終