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2023.5.4

あれだけ冷たい風が吹いていたのに、気がついたらその風は生温くなっていて、今年の夏の入口がもうそこに見えていた。
それに気づいてしまったからか、なんだか水出しのお茶が飲みたくなった。1リットルのボトルに茶葉を入れた茶袋を入れ、浄水を注いで冷蔵庫でしばらく寝かせる。茶葉は何でも良い。今年はじめてのお茶はジャスミン茶にした。少し前の朝、駅に向かう為のいつもの道で香ったジャスミンの花がとても印象的だった。特に今年はどの花も香りが強く、梅や桜も視覚より嗅覚からその季節の始まりを、緑葉の香りで次の季節へ移っていく瞬間がきたことを知らせてくれた。
時間は止まることなく流れ続けている。全てのものに公平に与えられている、生まれてから始まる死への時間の流れ。草木は花を咲かせ香りを送りながら時間の流れを歩む。私も同じように花を咲かせ香りを送れてきたのだろうか。
今年のジャスミンの香りは、私に大切な質問をしてくれたみたいだ。

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