ことば(抒情詩)
陰のことばは
太陽のしたへ出て
ひととき輝き
きえてしまうけれど
光のことばは
暗い影をてらして
ひととき温めて
さっていくけれど
いつも
聞こえている
見えないことばは
みんな
きえてしまうけれど
ことばは
そらから
はらはらと
やすむまもなく
降ってくるから
ちいさなこぐまが
みつばちに
あいさつをする
大きなクジラが
月のしたで
恋をかたる
真っ赤な竜が
火口のまんなかで
はじめての炎を吐く
消えたことばが
すべて
蒼い
蒼い
数えきれない
幾つもの輝く
星になって
銀河を
流れていく
宇宙では
ときどき
元気のよすぎる
ことばが逃げだして
ぴかり
光る
流れ星になる