詩について(抒情詩)
最も美しい空を語り合うものたち
真摯な時が流れ
深く青く鉄が燃えている
風は止み
夜に光を曳く列車の音が
静かに響く
木々が真摯な沈黙の中で
芽吹こうとしている
蕾が姿なく熱を籠らせて
花開こうとしている
赤ん坊が初めての寝返りを
何度も何度も
諦めることのない手応えでしている
春がわたしたちの
言葉の奥にあるものを騒めかせている
星々さえも明滅を速め
見えない星座が巡ろうとしている
稀だった名前が
次第にありふれていくように
広がっていく欠伸たち
始まりでもなく
終わりでもない始まりに
土は解け
野山の獣は
むっくりと身を捩り
やがて欠伸をする