お笑い界でいつの間にか「大学中退」が「高卒」にカウントされるようになったね
数年前から「?」と思っているのが、
「大学中退の芸人が、自身を高卒だ、と自虐的に言う」
というもの。
これは世間的に、そうなっているわけではない、と仮定したうえでの話だが、
「なんだか変だなぁ」
と思っている。
もう40年以上前の話になるが、春風亭小朝のラジオを聞いていたら、高校に通いながら落語家修行をしていて、桐朋芸術短期大学に合格していたという。しかし、諸般の事情で行けなかった。「一日でも行っていれば、大学中退と言えたんだけど」的なことを言っていたのだ。
「一日だけ行く」ことに、実際に学ぶという意味での実利はほとんどないので、この小朝発言は、40年前には世間的に「中退」も学歴に組み込まれていたことを意味している。
ところが、いつの間にかというかここ10年くらいか? 高校中退は中卒、大学中退は高卒、と芸人のトークなどでカウントすることが多くなった。
俳優やミュージシャンがあまり自身の学歴について語る場はないのでよく知らないが、芸人に関してはそうだ。
具体的に言えばラランド・ニシダが上智大学中退、令和ロマンの高比良くるまは慶応大学中退だが、どちらも自嘲気味に「最終学歴は高卒」と言っている。
ちなみに松本伊代はトップアイドルとしてバリバリに仕事がある忙しい時期に、女子短大に入学して卒業している。
何かめちゃくちゃ勉強がしたくて入ったのかもしれないが、伊代ちゃんと言えば「自伝が出るんですってね?」、「(ゴーストライターが書いた)出来上がりをまだ読んでいないんです」と言う会話をテレビでした、というほどの天然。
ホント、ゲスの勘ぐりで申し訳ないが、80年代は、多忙なアイドルでも最終学歴が短大や大学の方がイメージとして良かったのかもしれない。
本気で勉強したくて短大に入ったのなら、すいません。
実際、松本伊代はオールナイトフジにレギュラー出演していたが、確か「女子大生の一人」として打ち出されていた。
また、「とんねるず」が「おれたちは高卒だ!!」とよく言っていたのは、彼らが出演していた「オールナイトフジ」の女子大生たちに対しての物言いかもしれないし、付き合いの多かったテレビマンや放送作家の多くが高学歴だったことから来る「反発」だったのかもしれない。とにかく、彼らがあまり他人の学歴に関してどうこう言っている記憶はなかった。
それにしても現在のようにお笑い界で「中退」が学歴として認められないような言動はどこから出てきたんだろうかね。
タモリは早稲田中退、ビートたけしは明治大学工学部を中退したことで有名だが(たけしは2004年に明治大学から「特別卒業認定」をされているという。知らなかった!)、タモリを現在、「高卒だ」と言う者はいないでしょうに。
個人的には、それこそ一日しか行かなかったというならともかく、しっかり受験勉強して試験に合格し、高校や大学に入学して、1~2年くらい通って中退した人を「おまえは中卒だ」とか「おまえは高卒だ」とはとても言えないなぁ。
おしまい
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