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仮装大賞・コドモ大量出場期と「番組に合ってないのに出続けたグループ」
ふと思い出したことがある。
テレビ番組の「全日本仮装大賞」で、ファミリーで出場する人たちが増えた時期があった。
もうずいぶん前。四十年くらい前だ。
「仮装大賞」そのものは欽ちゃんの特番内で70年代終盤からあるそうだが、80年代は「仮装大賞」における「仮装」が、さまざまな試行錯誤を続けていた時期だと感じている。
自分はだんだん「仮装大賞」を観なくなってしまったが、確か90年代初頭くらいまでは非常に楽しみに観ていた。
だから、それより前の話。
90年代以前、仮装メンバーの中に小さな子供が入っていると、合格率が上がる傾向があった(それ以降のことは観ていないから知らない)。
有名な、いったん合格基準に至らなくても、欽ちゃんが「もうちょっと上げてあげてヨ~!」とか言って審査員のだれかが「ピッ」ってあげるとドジャジャジャーーーーーン!! と「合格のときの音楽」が鳴る流れ、それに「子供の参加」は、うまくハマっていたのだと思う。
その後、「家族(パパ、ママ、小さいお子さん)」で参加しました! という出場者がだんだん多くなっていった記憶がある。あくまで記憶、印象にすぎないが。
もちろん、オーデションで彼らを出場させるよう決定しているのは番組側だが、「子供を交えて仮装をやれば合格率が上がる、採用率も上がる」ことを素人の出場者側がわかっているのではないか? というふうに、私は勘ぐったのだ。
しかし、「子供まじりの参加者」がいったん不合格になり、欽ちゃんが出てきて「上げてあげて~!」と言って合格になり盛り上がる、という流れは、ひとつの番組の中でそう何度もあるとシラケてしまう。
一時期、そうした臨界点を超えた時期があった。
そうなると今度は「子供が混ざっていても落とされる」グループが多くなり、だんだん沈静化して、ちょうどよいバランスになったと記憶している。
しかし総じてこの「子供混じりの出場者大量期」は、
「わが子をダシにしたニューファミリー参加者がイヤな感じだな」
と、正直思っていた。
もうひとつ「仮装大賞」において印象的だったのは、番組のかなり初期の頃、
「おれのオンナが仮装大賞で落とされて悲しんでいる。どうしてくれるんや!!」と、やくざ風の格好をした男数人が審査員たちにすごみ、「仮装大賞で落とされて悲しんでいる女性」も登場する(確か着物姿だった)、というメタ的な「仮装」だ。
これがメタ的な演出の割には、本当にやくざ風の男たちが恐く、子供心に観ていてイヤな気持ちになったのだ。
そして審査員の裁定で「不合格」。
審査員の一人、赤塚不二夫だったかな、
「(人を脅すようなことが)明らかにやりすぎだね」
と彼らを冷たくあしらったのだ。
欽ちゃんとのユーモラスなからみも、なかった記憶がある。「恐いことをやったけど素顔は無邪気なにいちゃんたち」という感じでもなかったのだ。
その後もこのグループは数回出場し続け、そのたびに観ていた自分には緊張感が走った。確か映画「ベン・ハー」の大がかりな仮装で出場したこともある。
それが合格したかどうかは覚えていない。
そもそも「欽ちゃんとの軽妙なやりとり」が見られない以上、こんな人たち、出場させても意味がないのだが、なんでスタッフは出させ続けたのだろう。まだまだオーディション参加者が少なかったのだろうか?
しかしそんなことはどうでもいいのだ。
もう寝ます。
おしまい