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なぜジェンダークォーター制は有効なのか

最近、あまり耳にしなくなったが、議会の在り方を考える際に、「ジェンダー・クォーター制」というアイディアが持ち出される。

これは議会の一定割合を女性議員にすることにより、議会の男女比を一定水準にする、というものだ。

一方、「議員は性別関係なく、素質で選ばれるべき」という考えに基づくと、ジェンダー・クォーター制は論外な考えに映るだろう。もっとも、ここまで極端でなくても、高校の現代社会、政経で終わっていたら、しっくり来ない、という人が大半ではないだろうか。

それでは、どのような考えに基づくと、ジェンダー・クォーター制のアイディアは成立するのだろうか。

端的に説明すると、ジェンダー・クォーター制は「描写的代表」という考えに基づいている。

描写的代表では、議会の代表、すなわち議員を「表現」と解釈する。議会は国民を代表し、国・社会の大切な物事を決める機関だ。だからこそ、議会は多様な社会を映し出す構成でなければならない、と考える。

もう少し具体的に説明すると、社会は性別、階層、職業など多様性にあふれている。その多様な姿をバランスよく、議会に反映させるのだ。議会全体の9割が男性で占められる状況は、描写的代表から考えると「アウト」なのだ。

結果的に、社会の約半数が女性なのだから、議会でも議席の半数は女性にすべきだ、という考えにつながる。

この描写的代表という考えに対しても、賛否はあるだろう。しかし、少なくとも、議会の代表に関して、様々な考えがあることを知っても損はないだろう。


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