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「勝手に DI 室」糖尿病性末梢神経障害性疼痛には何が使えるの?


統計

糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP:diabetic peripheral neuropathic pain)とは、糖尿病患者の 20-30% にみられる合併症の1つであり、日本における DPNP を有する糖尿病患者は 90-220万人と推定されています。(1)

日本ではどの薬が推奨されているのか?

神経障害性疼痛 薬物療法ガイドライン(2)を参考にしてみると、以下の 6 種類が記載されています。 (※ミロガバリンはまだ掲載されていません)

  1. プレガバリン

  2. デュロキセチン

  3. 三環系抗うつ薬

  4. エパルレスタット

  5. メキシレチン

  6. トラマドール

  7. (ミロガバリン)

この 6 種類ある中で、どの薬がより効果的なの?

OPTION-DM という研究でイギリスで行われた試験をご紹介します。(3)
糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)を有する患者のうち、1 日疼痛数値評価平均尺度( NRS )が 4 以上の人を対象に集められ、アミトリプチリンデュロキセチンプレガバリンそれぞれを第一選択した後に、次に併用するならどの薬の組み合わせが良いのか?という試験です。

結果は、単剤で NRS 評価が 4 以上の患者は、併用群にすることで NRS スコアが 6.6±1.5→3.3±1.8 へと減少した。つまり、疼痛効果が示されました。しかし、併用パターンによる有意差は見られませんでした。

このことから、
ガイドラインで推奨されている 3 つの内どれを第一選択に取っても疼痛効果が得られること。
単剤で鎮痛効果が芳しくない場合は、併用することで疼痛効果が得られる可能性があることが得られた。

2023 年 9 月現在、アミトリプチリン(トリプタノール®)は限定出荷となっており流通状況が苦しいですので、選択肢としてデュロキセチン、プレガバリンは十分に代替薬として役割が果たせる可能性がありそうですね。

参考:

1.糖尿病 2007;50:799-806 
https://doi.org/10.11213/tonyobyo.50.799
2.神経障害性疼痛 薬物療法ガイドライン 改訂版第2版
3.Lancet. 2022 Sep 10;400(10355):810. PMID: 36007534 (OPTION-DM研究)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36007534/



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