「勝手に DI 室」フィネレノン錠についてまとめてみた
フィネレノン の製品名はケレンディア錠
規格は 10 mg / 20 mg の2つがあります。
適応:
2型糖尿病を合併する慢性腎臓病ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く
注意:
1. ACE-阻害薬又は ARB による治療が適さない場合を除き、これらの薬剤が投与されている患者に投与すること。
2. eGFRが60mL/min/1.73m2以上:20mg
eGFRが60mL/min/1.73m2未満:10mgから投与を開始し、血清カリウム値、eGFRに応じて、投与開始から4週間後を目安に20mgへ増量する。
3. 投与開始又は再開、増量から4週間後、その後も定期的に血清カリウム値及びeGFRを測定し、表に従って用量を調節すること
と、添付文書に書いてありましたが、なんだか分かりにくかったので、まとめてみれば、鑑査の時に役立つかもしれません。
フィネレノンの承認に関連した臨床試験は主に 2 つです。この 2 つを読んでおけば、まぁ現時点ではいいのかなと。(1)(2)
FIDELIO-DKD 試験
【論文のPECO】
P:慢性腎不全 +2型糖尿病 ACE-i/ARB 服用中 n=5734
E:フィネレノン N=2833
C:プラセボ N=2841
O:腎不全、eGFRの40%以上の持続的低下、腎死亡
2次エンドポイント:MACE(心血管死+非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中+心不全による入院)
【結果】
HR:0.82(95 %信頼区間[CI]、0.73-0.93; P = 0.001)
・腎不全:0.87(0.72-1.05)
・eGFR40%低下:0.81(0.72-092)
<有害事象>
高カリウム血症 18.3% vs 9.0%
RR:2.02
FIGARO-DKD 試験
【論文のPECO】
P:慢性腎不全 + 2型糖尿病 ACE-i/ARB で治療中 N=7341
E:フィネレノン N=3683
C:プラセボ N=3658
O:MACE(心血管系の原因による死亡+致命的でない心筋梗塞、致命的でない脳卒中+心不全による入院の複合)
【結果】
HR:0.87( 95%信頼区間[CI]、0.76-0.98; P = 0.03)
<有害事象>
高カリウム血症:10.8% vs 5.3%
RR:2.04
既存のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬を並べてみました。
こうしてみると、臨床試験の対象患者が異なりますね
だからこそ、各適応の違いに繋がってくるのですね。
参考:
1. N Engl J Med. 2020 Dec 3;383(23):2219-2229. PMID: 33264825.
2. N Engl J Med. 2021 Dec 9;385(24):2252-2263. PMID: 34449181
3. N Engl J Med. 1999 Sep 2;341(10):709-17.PMID:10471456
4. N Engl J Med. 2003 May 29;348(22):2271. PMID:12668699
5. Hypertension. 2020 Jan;75(1):51-58.PMID:31786983
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