心を受け取る

トンボさん卒業

あけましておめでとうございます。新年１発目の記事です。みなさま、本年もよろしくお願いします。

と、おめでたい感じで始めましたが、私自身は結構ショッキングな年末でした。何かというと、大好きなYoutubeチャンネル「カジサックの部屋」のメインの一人でもある山口トンボさんがカジサックチームを卒業するというのです。

その卒業報告動画を見て、普段まったく泣かない私ですが、結構泣いてしまいました。

「カジサックの部屋」は当然、メインはカジサックことキングコングの梶原さんです。ただカジサックチームといって、出役として出ているメンバーも多くいます。そのメンバーの中でも立ち上げ当初からいるのが山口トンボさんです。

トンボさんは、ハゲでメガネです（トンボさん、すみません）。見た目で勝負している要素は多分０です（トンボさん、すみません）。周りからもイジられるキャラで後輩からもなめられる場面も（トンボさん、大好きです）。

それでも、欠かせない存在なのです。考える企画がすごいもあるでしょう。しかし、それよりもなによりも私が好きな理由も他にあります。

トンボさんがいると場が和む

これにつきます。視聴者としてトンボさんを見ていると和むのです。トンボさんが笑っているとそれだけでなんかＯＫなのです。たとえ、特に何もしていなくてもです。

視聴者目線でそう感じるのだから、一緒にいる演者の方々はもっとだと思います。事実、カジサックの家族の子どもたちからも愛され、仲間からも愛され、当然カジサックさんからも愛されています。

何をしているかと言えば、そう大きなことはしていないかと思います。しかし、トンボさんの価値というのは、何をするではなく、「居る」ということの方が大きいと思います。

居る価値

みなさんは居る価値を感じる方は身近にいますか？

家電芸人

年末の番組「アメトーーク」で、家電芸人というのがあります。芸人さんが最新家電を紹介するというものです。部屋の角のときは吸引力があがる掃除機。水蒸気だけで焦げ目をつけるレンジ。臨場感がリアルに感じられるスピーカー。

本当に家電の成長には驚かされます。どんどんできることが増えていく。細かいところまで本当に。

ただ家電の価値はあくまで何をしてくれるかです。デザインの価値もありますが、基本は何ができるかで価値が決まります。家電はどこまで成長してもきっと何ができるかだと思います。いや、家電に限らず、機械系はそうでしょう。何もしてくれない機械を買う人はいないはずです。

人は違います。

クリスマスの夜。公園のベンチで、横に恋人がいる。どうでしょう。特になにもしなくても幸せではないでしょうか？

落ち込んでいるとき、そばに居てくれる友人。否定も肯定もせず、何か現実が変わることをしてくれるわけではありません。でも、ものすごく心強くなりませんか？

そして一番分かりやすいのが家族。とりわけ子どもです。子どもが何かしてくれるわけではありません。むしろお世話をしなければいけません。それでもいてくれるだけで頑張れます。居ることでふんばれます。

何かしてくれることだけに価値があるのではなく、居るだけでも価値がある。ＡＩに取って代わられないものは、人のぬくもり。そんな風に思うのです。

子育て

人は居るだけで価値がある。

分かっているけど、実際に子育てをしているとそう思えない場面もでるでしょう。別にすごくなくても、ある程度勉強ができてほしい。得意じゃなくてもそれなりに運動はできてほしい。多くなくていいけど、２・３人は友達がいてほしい。

特に勉強もせず、運動もせず、部屋に引きこもっているとそう思えないこともあると思います。不登校生徒の支援をしていると本当に「居る」だけでいいのだろうか？と思うことが多々ありました。自分もだし、子どもも。

ただ２年間居場所づくり支援員として勤務して思うことは、やっぱり居るだけでも価値があるということです。

居るだけでいろいろな事を見聞きし、思い、感じます。何もしていないように見えても心は動いています。心がある。何もしていなくても、隣にいるだけで、心と心がふれあっています。

だから居るだけでも、その人が居るという選択をしてくれたという心を受け取れます。どこにも行かずそばにいるという心を受け取れます。

年末年始。帰省するという人も少なくないでしょう。今時テレビ電話があり、顔を見せるだけなら一瞬でできます。声を聞くことも。それでも帰省するのはなぜでしょう。

心を受け取る。

このことの偉大さを知っているから、人は人に会うことに喜びを見出すのでしょう。

年が明けて、目標を立てる人もいるかと思います。何かをすることも価値があります。上手になることも。経験することも。しかし、会う。そばに居る。そういったことも目標の一つに入れても良いかと思います。

子どもやパートナーと話す。遊ぶ。ご飯を食べる。寝る。

そういった何気ない日常も目標にふさわしいことだと私は思います。

年始。お休みも多い方もいらっしゃるでしょう。何気ない日常を過ごすチャンスです。ぜひ一考してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。本年もどうぞよろしくお願いします。