年度末に話すこと
今年度も終わろうとしています。6年生はもう卒業式が終わったかと思います。在校生はそろそろ終わりで、一年間を振り返る機会もありますよね。そこで、今回は年度末に子どもに話すときに、気をつけた方がいいんじゃないかと思うことです。
①(担任の)先生のおかげで、一年間よかったね
これすごく言いがちになってしまうと思います。特に、とてもいい先生だった場合や子どもと相性が合う先生だった場合です。この言葉自体は悪くありません。気をつけてほしいのは、一年が良かった理由を先生だけにすることです。
「先生のおかげで〇〇ができるようになった。」「先生だったから勉強がわかった」のは事実の部分もあるかもしれません。子どもが思うのも確かです。教員としてこれほど嬉しい言葉はありません。
しかし、考えてみてください。何かができるようになったのは、まぎれもない子どものがんばりの結果です。勉強がわかったのは子どもの努力の結果です。それを親御さんが認めてあげないと子どもの自己肯定感はあがりません。
さらに悪く解釈すると、「先生がいなかったらできなかった」ということにもなりかねません。年度が変わり、あまり合わなかった先生の場合、「今回の先生はダメだ」という印象をもつことでしょう。
親御さんだけは、「先生もよかったけど、あなたの頑張りがあったから良かった一年だったね!」と言ってあげてください。
②〇年生(来年度)は、難しいからもっと頑張らないといけないよ!
もともと子どもは勉強というものにプラスのイメージはもっていないかと思います。そんな子どもに「次の勉強は難しいよ」と言って「そうか!よし、がんばろう!」って言うと思いますか?笑
難しいから頑張ろうと思う子は多分もう大分頑張れる子です。だから言う必要はないです。
どうせ言うなら、予習しちゃった方が子どもは惹かれます。
「2年生は九九があるよ!ににんがし!ってやつ。聞いたことある?」
「4年生は都道府県を覚えるよ。ここは青森県でしょ。おとなりさんは何県?この前旅行で沖縄県行ったよね!」
「6年生は危険な薬品を使うよ。触るだけで手が溶けちゃうやつもあるんだって。」
人間にはもともと好奇心があります。「え!?なにそれ!?」と思わせたもんがちです。最近読んだ論文には、学習に関係のない動機(ほめられるから、みんながやるから)で勉強したとしても、成績への影響は少ないと書いてありました。勉強したら何でもいいわけではありません。
一方、学習に関係のある動機(面白そう、役に立つ)は、成績向上に寄与するそうです。学校の授業にそれをすべて任せるのは厳しいかなと思いますし、何より他人任せです。おうちで面白そうと思わせることができれば、最高ですよね!
③「もう〇年生(来年度)だから、〇〇してね」
「もう高学年だから、一人で勉強しなさい!!」とか「2年生になるんだから、学校の用意を確認しないからね!」とか「4年生だからお風呂掃除もお願いね!」
お手伝いをしてはいけないというわけでも、年齢で考えることをしてはいけないというわけでもありません。むしろ気持ちは痛いほど分かります。私も教員としてそういう指示や声かけをしてきました。
留意していただきたいのは、そこに思いがあるかどうかです。お手伝いしてほしいのは、家事の経験をして、成長してほしいからですよね。自分で暮らすときに困らないようにしてほしいからですよね。
小タイトルのように言うと、きっとその思いは伝わりません。むしろ親が面倒だから押しつけてくるのかなとさえ思うかも知れません。
子どもはきっとそんなにやりたい!とならないかなと思います。それは子どもにとって面倒だから。当然と言えば当然です。その心理の子どもに対して、単に学年が上がるからという理由ではなかなか難しいです。だったら子どものままで大人になりたくないよ!となりますね。それでいいですか?
きちんと本人の意思の確認をした上で行うことが良いかと思います。おすすめは選択肢を用意して選ばせる方法です。
「○○ちゃんが大人になるために、自分の準備かお風呂掃除かお洗濯かどれかはしてほしいんだけど、どうかな?そうしてくれるとパパは嬉しいな」と私なら伝えます。あくまでも私ならです。まだ私小学生の子どもいないんですけど笑
振り返りは成長を感じるため
そもそも振り返りをする目的はなんでしょうか。よりよくしていくためもありますが、小学生の場合は、成長を感じ自己肯定感をあげるのが目的な場合が多いです。
今回紹介したものの、2つは来年度に向けたものです。来年度になってから急に言うより、事前に伝えておくことはとても大切です。それはそれで必要かと思います。
しかし、年度末。せっかくの区切りは成長を感じるいい機会です。本人は日々に一生懸命なので、場を与えないと振り返れません。今年一年でこう変わったねと写真や文などから成長を感じられる時間があると素敵ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。
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