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ゲイに思われていたんじゃないかとふと思う

文化が違うこのアメリカで、あの時の僕は誤った行動をしていたのかもしれないと今でも時々思い出す。

最近はもっぱら近所のジムに通うのが好きで、週に4、5回程度は通ってジョギングや筋トレに励んでいる。

東京にいた頃は考えられなかった。
仕事柄飲み会が多かったし、そういった刹那的に楽しい時間を過ごす事が好きで、それで歳を重ねることにあまり何も感じていなかった。
暴飲暴食がナンボのもんじゃいと真剣に思っていた。

僕は何かを積み重ねていくというのが余り得意ではない人間のようで、ある程度の事は人並みに出来るのかもしれないが、とにかく継続するのが苦手だ。

元来飽きっぽい性分に加えて人からの影響を受けやすいので、次々と目新しい事に手を出すが結局続かないので手元に何が残ったのか自分でも良くわからないようなそんな人生を過ごしてきた。

そんな僕がアメリカに来てからもう1年以上ジムに通っている。最近は通う頻度も高くなって、プロテインも飲み始めて自分の筋肉を育てることに快感を覚え始めてしまっているヤバいおっさんになっている。
加えてテストステロンだのドーパミンだのセロトニンだのの人生幸福ホルモンが出まくる事を知って、それを体感するようになってから、とにかくハマってしまっているのだ。

通っているジムは東京のそれと比べると設備は広大なのだが、夜の8時位に行くとマシン待ちが発生するくらいに活況だ。
皆黙々とダンベルやマシンを動かしている。そしてその後決まったように鏡で自分自身を見て悦に浸っている。欧米人の不思議とも思える自己肯定感の高さはここから生まれているのかもしれないとも思って僕も続けることが出来ている。

このジムにはサウナが併設されているのだが、通い始めた当初、当然のように裸で入っていた。日本流サウナの入り方だ。
股間をタオルで隠し、汗をかいたら手持ちのタオルで拭き取り、静かに瞑想していた。僕は日本代表として、日本人皆無の異国のサウナで1人日本流のマナーを守って戦っていた。

一方周りを見渡すと皆パンツを履いていて、何ならTシャツとスニーカーのまま入って、大声で話している。とにかく賑やかなのだ。僕以外の皆にとってサウナは会話する為の憩いの場なのかもしれない。

国も違えばサウナの入り方も違うんだなぁと当時は大して気にも留めていなかったが、今思えばあの時の僕は皆に対して自身の性を盛大にアピールをしていたのかもしれないとふと気付いた。
そういえば当時誰かから話しかけられることなんて一度もなかった。あのサウナにはそっち方面のアジア人がいるぞと噂になっていたのかもしれない。

最近気軽にマイフレンドと呼ばれることも多くなってきてそこで初めて気付いた。

変えたことと言えば周りに合わせてパンツを履くようになった位だ。
今振り返ればきっと彼らにとって当時の僕はマイフレンドじゃなかったのだと思う。






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