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【改正少年法】成人年齢の引き下げについて

2022年4月1日より成人年齢が18歳に引き下げられた。

そもそも少子高齢化により選挙投票数が減ることを懸念した政府が、成人年齢の引き下げを検討したのが始まりだ。

政治家にとって、少年法や成人年齢の引き下げに伴う自己責任など興味もないだろうが、これからを生きる子供にとっては重要な法改正になったと思う。


法改正後、甲府殺人事件の19歳犯人が実名報道された。

私も逮捕当時19歳で、法改正後なら実名報道されていただろう。


今日はそんな話をつらつらと。


18歳の子供に責任は負えるか


自分の過去を振り返っても、18歳当時の自分を“大人“ということはできない。

18歳から20歳は“まだ“何をしても許されると思っていた節があって、世間が“未成年=子供“という扱いをしているのも事実だろう。


少子高齢化に伴い政治家が選挙投票数を気にしているまでは理解できた。

肩書きとお金が大好きな政治家の意図にしてはよく出来ているし、若者が政治に関心を持つのは間違いなく良いことだろう。

しかし、個人的には18歳に成人と同様の責任が負えるかは疑問である。

罪を犯して逮捕され刑務所に入れられてしまえば、本人の意思に関係なく贖罪行為は出所の日まで繰り返される。

問題は罪を償う=更生ではないことだ。


若くして重罰を受けても終身刑や死刑でもない限り、40代50代で出所する。

無駄に体力と活気があり、そのくせ頭は頑固な厄介な年代で、数十年ぶりに社会に放出されたらどうなるだろうか。

彼らの頭は18歳で止まったままだ。

法改正をするのは勝手だが、政治家がその先を考えているのか些か疑問である。


未成年のAV出演強要について


少年法改正に伴い、これからは“現役JKデビュー!“なんてタイトルのAVが観られるかもしれない。

当の本人も納得の上で出演しているなら問題ないが、わざわざ議論されたのは「18歳が大人に囲まれてもNOと言えるか」疑問が湧いたからだろう。


18歳当時の私だったら、NOとは言えない。

仮にスカウトに上手いこと言われたりそのスカウトが“彼氏“だった場合、余計にNOと言うことは難しくなる。

自分の気持ちを第一優先に出来る人もいるだろうけれど、18歳のほとんどは、みんなの足並みを見て“ノリ“や“雰囲気“を重要視すると思う。


当時の自分に「まだまだ子供」なんて言ったら刺されそうだが、気概はあっても重要な意思決定を下すにはまだ早熟だろう。

特に体や恋愛、お金などが複雑に絡み合うAV出演については、本当によく考えた方がいい。


一昔前に大問題になった“バッキー“もそろそろ出所してくるはずだ。

今後、性被害に遭う未成年がいないことを望むばかりである。


19歳実名報道が与える影響


10年前に法改正が行われていたら、私も実名報道を免れていなかったのだから恐ろしい。


甲府殺人事件の報道はいい意味で抑止欲にはなったと思う。

どこかで「まだ子供だし!許されるでしょ!」と思っている奴らを黙らせられるし、痛い厨二病も一生の責任になると思い知るいい機会になった。

甲府殺人事件の犯人は“初の実名報道“なんてタイトルを付けられていい気になっているかもしれないが、彼が生きて社会に戻ってくることはない。


良くも悪くも様々な議論がなされているが、法改正が行われた以上は手厚く保護する必要はないと私は思う。

何事にも当てはまるけれど、新しい試みをスタートすると必ず“同情や気持ちひとつで変えたことを無かったことにする“厄介な人間が出てくる。


「19歳で実名報道なんてやりすぎ!」
「18歳でローンが組めるなんてあり得ない!」

確かに私たちの時代にはあり得なかったことだけれど、これからの時代はそれが当たり前になっていく。

子供たちは20歳ではなく18歳を楽しみにするだろうし、親の手を離れて独り立ちできることを誇らしく思うだろう。


自由を謳歌し付随する責任を負うのは18歳も50歳も同じだが、裁判官も少なからず人の子だ。

判例をよく見れば分かるけれど、“人間味溢れる正しい判決“を出す裁判官は少なからず存在する。

彼らに期待するわけではないが、“本当にたった一度の間違い“ならば年齢を考慮してもらえる場合はあるだろう。


義務教育にお金と法律の授業を組み込むべき


日本には“ジュニアNISA“という素晴らしい仕組みがあるのだから、子供たちに“お金“がどう増えたり減ったりするのか教えればいい。

お年玉やお小遣いを集めれば全員がNISAをすることは不可能ではないだろうし、課税対象でもないのだから便利に利用できるはずだ。


今のところお金の使い方等について学ぶには、親しかいない。

しかし親もお金の使い方は人によってピンキリだろうし、最悪の場合、税金の税の字すら知らない親もいるだろう。

これからは超少子高齢化で若者の存在が重要になってくるのだから、早いうちから経済問題を解釈できる知恵を植え付けて損はない。


それから、法律も合わせて教えるべきである。

私は中学生のとき、公共の壁にグラフティをして一度逮捕されているが、当時の私は本気で壁に落書きすることが犯罪だと知らなかった。

「グラフティならどこにでもあるじゃん!」と当時の刑事にも言ったけれど、私たちが普段見かけるグラフティは犯罪行為が放置されたもので、決して許可されているわけじゃない。

バンクシーはどうなんだよと思うけれど、才能のない一般国民にそれは当てはまらないらしい。


“無知とは罪である“という言葉があるように、世の中「知らなかった」では済まされないこともたくさんある。

若さやバカはそれだけで許す材料になる場合もあるけれど、ほとんどの場合、知っていても知らなくても責任は負う必要がある。

選挙投票数を気にするなら、日本の法律を若者に植え付けるのも無駄ではないはずだ。


少年たちよ、未来は明るい


正直、私は自分の子供に「未来は明るい」なんて口が裂けても言えない。

年金はもらえる年齢になる前に崩壊しそうだし、まさか日本の将来を決めているのが70歳80歳のじいさん連中だなんて悪夢以外のなにものでもない。

昔より規制はずっと厳しく、公園で大きな声を出して遊ぶだけで通報される時代だ。

生きづらさは段違いだろうが、生きる以外の選択肢もない。


18歳から成人。結構じゃないか。

ずっとなりたかった大人に早くなれるのだから、喜んだ方がいい。

様々な可能性や不安を問題視ばかりしていては人生は楽しめない。

世の中には“いいお手本“と“悪いお手本“になる大人がたくさんいる。

付いていく大人を見誤らなければ、成人年齢引き下げに伴うメリットもたくさん得られるだろう。



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