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北大ラグビー部OB・OGインタビュー第3回

伊藤智将 2018年度・工学部・機械知能工学科卒
→工学院エネルギー環境システム専攻

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Qラグビー部に入ったきっかけを教えてください!

中学、高校とラグビーをしていたのですが、大学入学時はラグビーを続けるつもりはありませんでした。そんな中、偶然ラグビー部の新歓をされていた先輩方に声をかけられ、一度練習を見学しました。行ってみると、高校の時にやってきたような熱い気持ちが蘇ってきて、またラグビーをしたいと思うようになり、入部を決心しました。ラグビー部特有の明るくて面白い雰囲気に惹かれた、ということも理由の一つですね。

Q北大ラグビー部に入ってよかったことはありますか。

中学、高校時代と大きく違ったのが、「指導者がいない」ということでした。指導者がいない中で学生たちが主体的に考え、練習メニューから合宿、試合の日程、戦い方、メンバーまで全部自分たちで考えるのが北大ラグビー部の特色でもあります。自分たちで考え、意見を出し合いながら試行錯誤していく、という経験は思い返すと貴重だったなと実感しています。


Q4年時は主将を務められました。キャプテンとして大変だったことや、やりがいについて教えてください!

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僕が3年生だった時、代表決定戦で東北学院大学さんと対戦しました。結果は負けてしまったのですが、後半すごく良い戦いができて、後半のような戦いができれば、来年は勝つことができるのではないかという手応えを同時に感じました。勝つためのビジョンを意識しながら、全員で取り組めば来年勝利できると思っていたのですが、それを言語化してチーム全体に落としこむ点が大変でした。勝つために必要だと感じたことを分解してアタックは具体的にこうする、ディフェンスはこうするという風にチームのみんなにわかりやすく伝えたり、工夫して取り組む過程の中で、チームの成長を実感できた点にやりがいを感じました。

Q実際に4年生の時の決定戦で勝利できた要因はどのような点にありましたか。

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要因は3つあると考えています。一つ目は「こうすれば勝てる」というビジョンを全員で信じて試合に臨めたことです。チーム全体でやるべきことを共通認識し、勝つために準備してきたことを実行できました。二つ目は、決定戦の会場が月寒ラグビー場であったという「ホームの雰囲気」です。OBの皆さんをはじめ、たくさんの方々の応援が本当に力になりました。さらに、会場の運営面において、小樽商科大学ラグビー部、星槎道都大学ラグビー部の皆さんが支えてくださりました。道内で戦った他大学の皆さんの支えやたくさんの声援を受け、いつも以上の力が出すことができたと思います。三つ目は、先輩方が築いてこられた「伝統」と後輩たちの力だと思います。どんなに苦しい状況でも北海道で勝ち抜いて、毎年代表決定戦の舞台に挑んでこられた先輩方の思い、「チーム全体が体を張る」という北大ラグビー部のカルチャー、自分たちがチームを引っ張るんだという後輩の力、の全て上手く噛み合って勝利に繋がったと思っています。

Q大学選手権のピッチに立った瞬間の思いを教えてください!

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会場が北九州の綺麗なスタジアムで、たくさんの方々が応援に駆けつけてくださり、秩父宮や新国立と同じ入場曲が流れ、「すごい所に来たな」と感じました。また、北海道・東北地方で勝ち抜いてきた自分たちの実力が全国の舞台でどれだけ通用するかという楽しみな気持ちがありました。

Q実際に大学選手権でプレーし、どのようなことを感じましたか。

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結果的には大差で負けてしまいました。(0-108)
対戦した福岡工業大学さんは、今まで対戦した相手の中で一番強かったです。北日本代表としてプライドを持って戦いましたが、改めて全国の壁、上には上がいるという点を強く感じました。具体的には、相手のアタックの判断早さ、パスの正確性、プレー中のコミュニケーションの量など、全てにおいて相手が上でした。そういった相手に勝つためには、一時的な戦術以上に日々の練習の質を高め、どこまで大切にできるか、一人ひとりがどれだけ意識を変えて取り組めるかが重要であると思います。もちろん、現在も後輩たちはそれを感じて取り組んでくれていると思います。自分たちの代よりもさらに高いレベルのチームに仕上がっていると思うので、この先の活躍が非常に楽しみです。


○以下は大学選手権初出場の際の記事です。こちらも是非ご参照ください。

(引用:4years.asahi.com)



Q伊藤さんの高校時代のラグビーと勉強の両立について教えてください。

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とにかく「切り替え」を大切にしていました。部活をしている時はラグビーに全力で取り組み、勉強する時はとことこん集中する、ということを意識していました。勉強とラグビーを自分の中で上手く分けて取り組むことで、それぞれがどちらかに対して気分転換、息抜きにすることができたと思います。

Q大学でラグビーと学業の両方を熱心に取り組めた要因を教えてください!

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まずは学業優先という北大ラグビー部の雰囲気が大きかったです。授業と平日の練習が被ってしまった時は、授業を優先することができました。その代わり、空きコマにウエイト、自主練をしたりして、時間を有意義に使うことで両立することができたと思います。

Q大学院に進まれたきっかけ、理由はどのようなものでしたか。

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卒論時は研究室よりも部活を優先させていただいていました。そのため、大学選手権が終了した11月末から本格的に実験を行って、卒論を仕上げたという形になりました。このような経緯もあり、大学院に進学してあと2年間、もっと研究を続けたいという思いが沸きました。学部生の時はどちらかというと座学がメインで4年生の卒論をきっかけに自分の研究ができるような感じでした。大学院に進めばさらに良い環境で自分のやりたい研究ができるのではないかと思い、進学しました。

Q伊藤さんの大学、大学院での研究について教えてください!

僕は工学部の機械科の中で、原子力に関する分野を学びました。大学院では、原子力発電所のメルトダウンについて研究しました。メルトダウンというと、福島第一原発の事故で知られていますが、そういった原子力発電所の事故や、発電所内部の設備の模擬実験をしていました。もちろん、実際にウランは利用できないので、銅・スズを用いて実験していました。


Qラグビーと学業で共通する点や価値について、伊藤さんはどのように考えていますか。

ラグビーでも勉強でも「目標を持って取り組むこと」が共通して大切なことだと思います。例えば、ラグビーでは「この大会に出たい」「このチームに勝ちたい」などの目標を立ててプレーしますし、学業でも「これを明らかにしたい」というゴールを立てて、逆算して取り組む必要があります。その過程の中で上手くいかないことが起きた時は、失敗の原因を分析したり、周りの人と相談したり、チームで協力して乗り越えていくと思います。このように、目標を立てて、その過程の中で、創意工夫をしながら逆算して取り組む経験はこれからの人生のいろいろな点で役立つと思うので、今両立を頑張っている人は最後まで諦めずにやり抜いて欲しいと思います。

Qラグビーと学業を両立してきた経験が今のご自身にどのような影響を与えていますか?

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先程も言った通り、「目標を立てて逆算して取り組む」というプロセスを、ラグビーと学業という2つの軸でチャレンジできました。目標を達成するまでの過程の中で、こうすれば上手く行くのでないかと取り組みを工夫したり、何度も失敗を振り返って問題を解決したりする経験を、勉強とラグビーの片方ではなく、両方で経験することができました。そういう意味では、人よりも「2倍の経験」ができたと思いますし、自分自身の自信に繋がっています。

最後に、これから北大ラグビー部にメッセージをお願いします。

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やはり、「学生主体」で取り組めることが北大ラグビー部の最大の強みです。また、去年も一昨年も全国まであと一歩のところまで迫っています。学生主体のチーム作りで本気で全国の舞台を目指せるという点は、他の国立大学を見ても中々無い、北大ラグビー部だけの魅力です。高校時代のチームの強さ、個人のレベルに関係なく、北大ラグビー部で大きく成長できると思います。是非北大ラグビー部に入って、素晴らしい仲間といろいろなチャレンジをしてほしいと思います。

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