見出し画像

琵琶湖一周にあたっての注意事項

こんにちは、こんばんは、そしておはよう。アキです。

 先日自転車で琵琶湖一周という個人的偉業を達成したので、
せっかくだから思い出をネットの海に放流しようと思う。
 琵琶湖一周(通称ビワイチ)は、文字通り琵琶湖を一周することである。
およそ200kmの距離を自転車で、ただひたすらに漕ぎ続けるのである。
一周していく中で、個人的にこうしておけばよかったなという点がいくつかあったので、共有しておこうと思う。興味がない人はここでバイバイでも大丈夫。
ここまで読んでくれてありがとう。

①自転車はママチャリはダメ
 これはビワイチを挑戦しようと思った人は、必ず一度は調べているとは思うが、ママチャリは禁忌である。よほど余裕を持った日程でゆっくりいくのならば良いのだが、そうでない場合、たとえば一泊二日などでいく場合、絶対にママチャリでは無理である。我々は流石にクロスバイクをレンタルしていたが、それでも道中はそこそこアップダウンがあり、ギアチェンジを幾度となく行ってそれでもひいこら言いながら進んだほどである。絶対にママチャリはおすすめしない。ママチャリは呑気な低速移動で近場をいくにはぴったりな乗り物である。実際に私が泊まった宿で数年前、ビワイチをママチャリで達成しようと試みた勇気ある若い細身女性がいたそうだが、琵琶湖の半分くらいに位置するこの宿まで来るのに全ての体力、精神力を使い果たし、その宿で一泊したのち、来た道を自転車で押して帰る選択をした、ある意味偉業を達成した女性がいるらしい。その人が今でも無謀な何かに挑戦していないことを願うばかりだ。
 ここまでママチャリのネガティブキャンペーンばかりをしてきたが、道中我々はクロスバイクであるのに、地元民らしきおっちゃんが乗ったママチャリのスピードに全く追いつけなかったという恥ずかしい話はここでの内緒にしておいてほしい。最初おっちゃんの飄々とした顔とそのスピードからどう考えても電動自転車だと思っていたのだが、近づいてみてもそういった機械が搭載していなかったのをみかけたときには思わず「はあ!?」と叫びそうになった。

②コースは事前に調べておくべき
 当たり前である。しかし我々は全く見ていなかった。ビワイチのコースは大きく二つある。初心者やゆっくり進みたい人用の低速コースと、上級者コースである。
コースは青い線で道路上に示してあり、マップを見ずともそこそこわかるのだが、低速と上級者の看板を見落とすことが多々あるため、低速と上級者を半々で走るという何とも中途半端な行程となった。せめて2コースの分かれ目の場所くらいは見ておくべきだと感じた。おかげでビワイチなのに半分くらい琵琶湖を見ていない。

③ご飯を食べる場所はしっかりと調べておくべき
 琵琶湖は思っている何十倍もでかい。だから栄えているところもあれば、山みたいな田舎道を走る時もある。そんな時に困るのがご飯だ。大体お昼ぐらいで走ってるところで滋賀っぽい飯屋寄ろう、なんて甘い考えを持っていると全くもってうまくいかない。雰囲気のある古民家のような道しかなく、しばらく店がないなんて状態に陥った。1日目は近江ちゃんぽんを食べようと思って、ちゃんと決めていったが、二日目はノープランだったので全く店が見つからず、次見つけた店に入ろうと決めたら、まさかのちゃんぽん屋で二日ちゃんぽんだった。美味しかったから結果オーライだったが。

④体力やペースが同じ人間と共にいく
 一人でビワイチを決行するものには必要ない。しかし、複数人数で挑戦するならこれは結構重要だ。最初のうちは全く気にならない。だが疲れが溜まってくると体力に差があった場合、これがとてもストレスになる。計画通りのペースじゃないと焦りが出てくりし、自分のペースが遅いと早い人に申し訳なさを感じる。幸いにも我々はほとんど同じペースと体力だったので、こういったことを感じる瞬間はほぼなかった。むしろ後ろ姿にとても勇気付けられたりした。しかし、多少ペースに差が出てきて一人で走る時間があった時、人生の中でもかなりの順位に来るぐらいの孤独感があり、途中で合流できた時の喜びは形容し難いものだった。

④ハイになった時こそ慎重に
 運動をしていると、さっきまでキツかったのにいつの間にか体力が戻り、むしろ一番良いパフォーマンスができているということがある。いわゆるハイになるという状態だ。自転車を漕いで二日目の終盤、雨と風に吹かれながら私はその状態になった。かなり先にいた友人に追いつき、気づいたらその友人を引っ張るペースで走っていた。友人曰く、我々の平均スピードの5km/sも早かったらしい。しかも多少上り坂で普段はギアを下げていた勾配なのに、全くギアを上げずに。今思い出しても気持ちよかった。それまであらゆる筋肉が悲鳴を上げていたのに、まったくっそれがなくなり、足が勝手に動いているような感覚だった。スポーツをやっていてもあそこまでハイになったことは今までなかった。
 しかしそううまくは事は運ばない。後ろからついてきていた友人は、私がハイになっていることに気づき、一回休憩を挟もうと近くのコンビニを見つけ、私に「〇〇(私の名前)、左!」と声を掛ける。私は一瞬考え、左の道に曲がろうとしたら、今度は「左!コンビニ!」と聞こえた。私は左にコンビニを確認し、友人の意図を理解し、ハンドルを思い切り左にきり、思い切りペダルを漕いだ。雨の中、段差、急なハンドル操作、気づいたら私は下から友人を見上げる形になっていた。そう、転倒したのだ。ゴールまであと十キロほどとなり油断していた。段差に沿ってタイヤが引っかかり、横転したのだ。ハイになっていたので、一瞬何が起こったのか理解することができなかった。転んだ瞬間の私の表情は、きっととてもポカンと気の抜けた表情だっただろう。肘を少し擦り剥き、腰と太ももを打ち付けたが、アドレナリンが満ち溢れていたこともあり、その時点では痛みを感じず、幸い大事には至らなかった。それまでの楽しい雰囲気とは一転し、友人には多大な心配をかけてしまった。小学校の頃、みんなで遊んでいる時に一人がガチの怪我をして、楽しかった空気が一気に変わるあの瞬間を思い出した。
 ビワイチをする人は、普段から慎重に、ハイになったときはより一層に慎重に走ってほしい。大怪我をしたら、楽しい思い出になる確率がガクッと下がってしまうから。

⑤着替えはしっかりと持っておく
 当たり前だ。しかしそれができなかった。宿にコインランドリーがあるとたかを括っていたが無く、パンツなどを手洗いする羽目になった。雨が降ったりもあるので、着替えは多めに持っていくと良いだろう。しかし、荷物が多すぎるとそれはそれで負担になるので、バランスが大事だ。手洗いをすることによって、私の絞る力の無さに気づいた。

⑥カメラはしっかり良いやつを
 私は走行中の記録をビデオとして残したいと思い、アクションカメラを持っていったのだが、GoProなどのようなちゃんとしたやつでは無く、安いものを持っていった上、どこかに固定するでも無く、手持ちで撮影していたので、家に帰って撮ったものを見返したとき、それは悲惨なものであった。手ぶれがひどく、カメラの向きもあっちこっちへ移動しており、全部見返し終わったあとには、コーヒーカップに2時間乗ったんかくらいの酔い具合で、思わずおえっと口にしてしまったほどだ。中途半端にカメラを持っていくくらいなら、泊まっている休憩中に携帯で写真を撮ったり、動画を回した方が、よっぽど良いものが残せるということに気づいた。いつかGoProを手に入れてしっかり撮影してみたいなんてことも思ったりした。

 ここまで読んで勘のいい人は気づいただろう。そう、私のビワイチは基本的に準備不足なのである。こんなもののほとんどは、しっかり調べておけば問題にすらならないし、わざわざこんな素人の文章を読まなくても、もっとわかりやすくまとめられてるサイトがいくつもある。注意事項だと思って真面目に読んでいた方には申し訳ない。これは、不真面目なビワイチ日記に過ぎないのだ。しかし、今回の挑戦は総じてマイナスだったわけでは無く、とてもいい経験を得ることができた。富士山登頂だったり、ビワイチだったり、日本一を肌で感じる事はとても貴重な経験であると感じられる。少しでもやってみたい気持ちが己の中にあるのなら、ぜひ行動に移してみてほしい。
 なぜならこんな無計画な私でも達成できたのだから。

 そういえば宿で食べた、近江牛のすき焼き、あれは格別に美味しかった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?