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「カチャカチャ!ッターーン!」に憧れて
これは私がPCのキーボードのブラインドタッチ(手元を見ずにタイピングすること)に憧れて、習得するまでのお話です。
私の学生時代、まだネットがなく
パソコンが都会の会社に普及し始めた頃の話。
テレビドラマでは
都会のオフィスでの仕事風景として
パソコンを操作するシーンがよく見られました。
やり手のボディコン上司に話しかけられ
キーボードを打つ手を止めずに
顔を上げるかっちり眼鏡のスーツ君。
![](https://assets.st-note.com/img/1653721544024-lcrX5iqD95.png?width=1200)
そのままちょっとした会話に突入。
かっちり眼鏡スーツ君の手はなおも動き続けます。
まるで頭と手が別々の生き物のよう。
え、何あれ!
手元を全く見てない!
かっこいい!
あれ、やりたい!
単純な私はすっかり
理想のオフィスワーカーな自分を
頭に描いていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1653721830541-UHYVpvMeiw.png?width=1200)
高校に入って、晴れて
パソコンを触れる環境に出会えた私。
授業でパソコン、ワープロ
それぞれを触ることができました。
そこで気づいたことなんですが
パソコンって
マウスを動かしたり
数値を打ち込んだり
するのがメインで
あまり
カチャカチャ
ッターーン!
みたいな場面は起きないんですね。
えぇ・・・
じゃああのテレビドラマの憧れのシーンは
一体どこに・・・?
そうそれ、実はワープロの仕事だったんです。
![](https://assets.st-note.com/img/1653721859146-cRtPdhqi0v.png?width=1200)
ワープロは文章を打つことが主体の機械。
「歓送迎会のお知らせ」のような
文を作る練習をしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1653732233549-gc0d2siOj9.png?width=1200)
ああ、こっちだったんだ!
当時は授業でワープロ検定に合格しよう
というものがあり
4級から受けることになりました。
今思うと4級って取る意味ないのでは
と感じますが
テレビでよく聞く「資格」というものに
初めて触れた私は
その基準まではよく分かってなく
憧れのアレができるうえに
できる証明までもらえるという事実に
ひたすらワクワクしていました。
ワープロ検定4級の合格基準は
・10分間に200文字以上のタイピング。
(文章が用意されていて、それを打っていきます)
・ビジネス文章の作成
(誰が誰宛てに、内容はこれでという指定があり
ビジネス文章の形式に沿って作っていきます。
「各位」とか「貴社」とか「時下ますますご清栄のことと・・・」
の言葉選びや形式がきちんとできているかを見られます。)
まあ高校ですし、授業の一環なので
全員が受かる基準でということだったんでしょう。
とはいえ初めて触るキーボード。
人差し指でチマチマ、どころか
どこに何の文字のキーがあるのかすら分からなくて
最初はキーボードとにらめっこでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1653721923219-jVw8kleyll.png?width=1200)
指の配置を覚える「ホームポジション」の練習で
両手の人差し指を交互に使って
FJFJFJFJ・・・
次は中指で
DKDKDKDK・・・
ひたすらそんな練習をさせられました。
やがてワープロに付属している
タイピングゲームをやるように。
ダンジョンの中を地下に地下に進み
モンスターを倒しながら攻略していきます。
モンスターが現れると「FU」とか「KA」とか
単語をぶつけてくるのでタイピングで
返り討ちにしていきます。
下層に行けば行くほど単語が長くなり
難易度が上がっていきます。
これに夢中になって
結構な階層をクリアしたおかげで
タイピングが身に付きました。
ちなみに当時はゲームデータをセーブするのに
フロッピーを使っていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1653729235058-Az3vXffoy6.png?width=1200)
ワープロ内には保存できなかったんですね。
時代を感じます。
合わせて放課後にワープロ室を開放してもらい
友達と小説モドキを作って遊んでいました。
毎日放課後に、2時間ほどワープロに向かっていました。
でまあ
気が付いたら憧れの
かっちり眼鏡のスーツ君くらいに
タイピングができるようになっていました。
といっても就職先はオフィスではなかったので
パソコンもちょっと触るくらいでしたが
当時は周りに触れる人もあまりおらず
地味に重宝されました。
ある日
事務員さんから
「hanamoroさーん!」
と呼ばれ
「はい!」
と返事はしたものの、あと10文字くらいで
打ち終わるというところだったので
顔をあげつつタイプしました。
カチャカチャ!ッターーン!
「え、ちょ、凄い!画面見ないで打てるの」
「えへへ・・・」
おおお
憧れたシーンやん!
![](https://assets.st-note.com/img/1653728800170-lz8vKRP53h.png?width=1200)
かくして憧れを手に入れたのでした。
・・・タイピングだけね!
他のパソコン操作はボチボチです・・・。
待って
この若いころの情熱
もっとマシなものに向けていたら
もっといい人生だったんじゃ
頑張りどころがおかしいと
思わなくもないです(;'∀')
* * *
そんなわけで
いつも読ませていただいている
pimさんのnoteから
「PC」「憧れ」にインスピレーションを受けて
書いてみました。
いつも思いがけない記事を読ませてくれるpimさん。
こちらの記事では
カフェでスマートにPCを触る人に憧れて
実際にやってみた体験を記事にされています。
理想と現実、はたして結果は?
ぜひ記事を読んでみてくださいね!
憧れっていいものですよね・・・!
この記事はまと。《まとまる》さんの企画
『つながりことば』に参加したものです。
またまた面白い企画、ありがとうございます!
そしてまたまたギリギリの参加で失礼します!
間に合ってよかった(;'∀')