ヒズボラというトップレベルの正規軍化民兵組織
この記事で注目したのはこの部分です。
>レバノン南部に侵攻したイスラエル軍の機甲部隊の攻撃前進を阻止するため、短射程のロケット弾やミサイル火力を集中的に使用しましたが、ただ阻止火力に頼って戦ったわけではありませんでした。ヒズボラはイスラエル軍を巧みに市街戦に誘い込んで消耗させ、繰り返し襲撃を加えることで、イスラエル軍に長期にわたって損害を累積させ、最後にはレバノンから撤退させました。
>イスラエル軍の退役軍人は、ヒズボラの武装分子はゲリラであると同時に正規軍の部隊としても動ける単位であり、その運用は驚くほど柔軟であったと証言しています。
>ハイブリッド脅威に対処するには、特定の戦争形態だけを想定した教育訓練に陥ることを避けるべきであり、特に戦争の認知領域の重要性について認識を深めることが重視されています。
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ヒズボラは最も成功した民兵組織と言うことができるでしょう。
特に、ゲリラになることもでき、また正規軍としての火力戦も遂行することができるという特徴は、これからの民兵組織の目指す実力のゴールを示しているといえます。
貧困層を含めた教育水準が上がったことにより、かつての南ベトナム解放戦線のようなゲリラ戦オンリーの組織から、必要に応じて正規軍が行うような火力戦闘や陣地戦闘、対戦車戦闘も行えるようになってきたと言えます。
ヒズボラが軍事部門だけでなく、福祉部門や教育部門なども持ち、そういった戦力培養や住民の支持獲得につながるような機能も併せ持った事実上のミニ国家(国家内国家)であり、政治的理由で国家の内部にいるけれども、いつでも国家として独立し得るだけの実力を持っているという点に非常に強い興味を覚えます。