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指圧と整体〜人類の問題解決の二大潮流から俯瞰する〜

 本日はアバウトにでも、治療論について書いていくつもりであった。

 しかしながら、昨日から原稿を書いては見るものの...…中身が薄いというか、書けるだけの認識の深まりがないというか......。

 物事の順序としては、常態論→病態論→治療論であるから、病態論を抜かしてはまともに治療論がかけるはずもない。

 それ以前に、そもそもの常態論すらが、昨年末に、常態論の構造の三本柱としての、食・運動・睡眠の問題を、「人間は何を食べるべきか」(日本人は日本の伝統食を食べるべき)「人間はいかに眠るべきか」(眠るとはいかなることなのか)「人間はいかに運動すべきか」(立つ・歩くの問題、四足体と二足体の矛盾の問題)として、ようやくにアバウトに書いた(措定したと言っていいのだろうか ?)だけであり、そういう意味では、常態論の問題は端緒についたばかり、と。

 本来ならば、ここから常態論を深め、自身の施術の事例検討で、病態論と治療論を創り上げていって、でなければと思う。

 何にせよ。焦りすぎ、勇み足と反省しきり。

 さはさりながら、治療論についての、閃くものがあったので、少し書いておきたい。

 加えて、常態論の、「生命の歴史」の繰り返しの、さらなる繰り返し、三重の歴史性・過程性の問題についても、と思う。

 さて、自身の治療・施術の構造としては、標治としての指圧・鍼灸・整体であり、昨年よりは、そこに本治としての「股関節重心+骨盤前傾」体による、立つ・歩くへの姿勢矯正とそれを可能としていくような指圧・鍼灸・整体を加えての二重性となっているが、その具体の手技である指圧(鍼灸)と整体について改めて考えてみると、この2つは同じく治療・施術なのであるけれども、その考え方、方法論は全く別物と捉えるべきと思えた。

 アバウトに言えば、前者の指圧(鍼灸)は、ハリやコリに着目して、それを1つ1つ解し、解決していくもの(もちろん大元となる部位を捉えてではあるけれど)、それに対して、整体といった場合は、全身の歪みに着目しての、それを整えてやることで、症状としては様々であっても、その大元は全身の歪み姿勢の歪みであるとして、そこを整えることで、一気に問題を解決しようとするものである。(自身の捉えかたとしては)

 そのように、自身の2つの手技を捉え返してみると、人類の問題解決の二大潮流として南郷継正の説(解)くことが想起された。

 人類の問題解決の二大潮流とは、簡単には、問題を1つ1つ解決し、整理していく学問としての流れと、問題を他対自己と捉え、自己のココロが乱されなければ、問題は問題にならないという構造、宗教(特に禅)との、二つの流れ

 ここは逆に、人類の問題解決の二大潮流(南郷継正)という一般論がアタマにあったからの、個別・特殊の問題である手技療法の問題が、指圧(鍼灸)と整体の二つの流れとしての治療・施術して捉えられたともいえる。

 そのように考えてみると、西洋医学と東洋医学の区別も、前者が問題を1つ1つ解決しての治療であるのに対して、後者は病を人間対外邪の相克と捉え、自身の気の流れが正常であれば外邪に影響を受けない=病へとなっていかないあるいは病から回復していく、という発想であると。

 それゆえ、最初の指圧(鍼灸)と整体の区別も、常態を正常に保っていくようにしてやれば、全ては一気に解決する、解決していく、治っていく、病態は常態へと復していくとの東洋医学的の大枠の中での、1つ1つのコリハリをほぐすことで病態を常態へと復活させるのか、全体としての体の歪みを整えることで、病態を常態へと復させるのか、でしかないのだとも思える。

 次の、三重の歴史性の問題。

 二重の歴史性・過程を持って創り上げられた実体を、さらにその上に、それを保持するという歴史性・過程を持たねばならない理由。

 端的には、実体というものは観念論的な言い方になるが、機能が実体化したものであるから、一旦は実体化したものも、実体に見合った機能をさせ続けなければ、次第次第に変化し、崩れていってしまう、ということ。

 これは例えば、骨を鍛えて強くなった場合、鍛え続けなければやがては元の弱い(日常レベルの必要性に耐えるレベルの)骨へと変わっていくということを思っていただければ...…あるいは水を沸かしてお湯になったものも、火を消して放っておけば再び水に戻ってしまう、ということで分かっていただければ(その場合お湯をお湯で保つには、小さな火にかけ続ければ良い。ここでは強い火力は必要ではない。それが量質転化(弁証法)ということでもあるのだが。)

 ここは、武術における技の変化と崩れ(南郷継正)の問題と捉えていただいてもいいと思う。

 「生命の歴史」の繰り返しのさらなる繰り返しとか、三重の歴史性とか書くと、言葉の遊びと捉えられる方もおられるかもしれないと思えるので、念のための補足。

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