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ジロジロ見る話
昔、英国を旅行する時に、「地球の歩き方」か何かの旅行ハンドブックには「ロマの子たちは誰かと目が合うとその人と友達ということでまとわりついてきて、お金をねだったり、財布をスったりすることがあるので目を合わせてはいけません」みたいな注意書きがあったと思う。
いや、その時にはロンドンで中国人留学生の誘拐事件などがあって、アジア系の私も危なかったのではないかという雰囲気であったのだけれども(帰国後に話しても誰も信じてくれないのである)、その時、キングズクロスからヨークに行く列車の切符を買おうと駅に行った時にはみどりの窓口で待っている時に、結構そういう子供たちが集まってきて、必死に目を逸らした経験がある。
ヨークは薔薇戦争のヨーク公の本拠地であったので是非とも行ってみたかったところである。そこで数日間滞在した時にBBCで誘拐事件のニュースを見たわけである。
そんなわけで、実際にどうなのというと、そりゃ他人が来たらスッと視線を逸らして歩くという技術は一月もイギリスで遊んでいたら身につくことは確かである。
RT そもそも人をじろじろ見てOKなら、不良なお兄さんが出てくる漫画の「あぁ?何見てんだコラ!」が成り立たない。一般に、相手の許可なく凝視は難しい。特に相手が強い場合。視線の向きには序列があることを知らないはずがない
— おきさやか(Sayaka OKI) (@okisayaka) April 29, 2022
でも、地元の人は例えば若い男は美人の(死語)女性が通ると「ヒュー」って、言ったりしていたのでそれなりには見ていたのではないかと思うのである。もちろん場所によると思うのではあるが。
そりゃじっと睨んで裸婦像の油絵の絵の具が半ミリも凹むほど見るのはちょっとヤバそうだとは思うけれど、少しくらい見ても構わないじゃない、減るもんじゃなしという気もするのである。
今はものすごくナーバスになり過ぎているのではないか。ちょっとはコモンセンスを再建しないと女性たちは乙女バリアーの外に出てこれなくなるのではないか。
つまりハーデースとペルセポネーの話である。
今は怒り狂ったデメテルと乙女バリアーからハーデースに強奪されたペルセポネーが沢山いて、もちろんハーデースは既に監獄の中ということであろう。そして世界は冬に向かわざるを得ないわけである。
ちなみにペルセポネーは春の女神である。人類は乙女バリアーから脱出したペルセポネーが春の女神として現れるのをじっと待たなければならないということである。(しかもジロジロ見たりせずに)ペルセポネーが乙女バリアーから出てこずに引きこもっていると人類は冬の時代に耐えきれずに凍え死んでしまうかもしれないわけである。