選択的夫婦別姓は選べない
シンプルに言って選択的夫婦別姓と言っても別姓派と同姓派は結婚できないわけである。別姓派は別姓同士、同姓派は同姓派同士で結婚するしかない。無理矢理同姓派の人間に別姓婚を強制しても逃げるだけであろう。そうなると同姓派と別姓派で溝が深まるだけである。
単なる妄想で別姓婚万歳と言っている人たちはそういう危険には何も気づかないだろうし、気づいた時には単純に同姓婚を悪魔化して破壊しようとするだけだと思う。つまり、同姓婚を選ぶような男はモラハラと言えば良いわけである。そういえばその男は別姓婚を選ばない人間失格という烙印を押せるわけである。
いや、そうなれば単に結婚しないというのが男の安全な選択肢ということになるけれど、それは別姓派にとっては最良の解決策ということにはならない。つまり、別姓派女性は、キモオタデブで貧乏人の別姓派は不要であり、イケメンで高収入の同姓派を別姓婚に引き摺り込みたいわけであろう。けれども、そういう男にしてみれば妻側に自らの財産を窃取される危険は犯したくないであろう。
別姓派の女性は当然ながら自分の実家との強い絆を残しているのである。そうなると、夫側の財産を自分の「家」に取り込んで自分の両親に献上することが親孝行ということになる。義実家など糞食らえであろう。そうして自分の実家に忠誠心を顕にすることで自分が他の男兄弟どもを蹴散らして可愛い後取り娘の座に着くことが一つのゴールなのではないか。
いや、真のフェミニストやマルクス主義者は「そんなことはない。そもそも家族を破壊することこそが一番の目的である。共産主義独裁政権の下で忠実な労働戦士として活躍するのに性別は関係ないだろう。」と言いたいところであろうが、どうなんだろう。
多分、日本人はそこまで政府を信じていないだろうし、仮に共産党独裁政権ができたところで、その官吏達は汚職に走るだろうから庶民は自己防衛に走らざるを得ないだろう。その防衛拠点が家ということになる。もちろん、今のマスコミ人や文化人の共産主義者達は「そんなことはない。共産主義政権では薔薇色の生活が待っている。シベリア送りになるのはネトウヨどもやアベだけだよ。他にはキモオタデブのオタクや貧乏人どももシベリアで強制労働させればいい。」というかもしれないけれど。
女性達はその防衛拠点に自分の住みなれた実家を使いたいわけである。気心の知れない舅姑など口も聞きたくないというのが真実のところであろう。今のところ民間風習では男が後継になるというのでそれを破壊したいわけである。つまり共産主義者は家そのものを破壊して人民を自分の支配下におきたいわけであり、前述したように、女性達は自分の実家を自分のものにしたいわけである。実際はそこでも溝ができることになるだろうが、今のところ、別姓婚は実現していないので共産主義者達と別姓派は同床異夢を続けていられるということであろう。
彼女達は夫については自分の実家を守る良き藩屏であり、財産を運んで来てくれる忠実な機械であれば良いという以上の望みは持っていないのではないかと思う。自分の支配下にあり、自分の願望を叶えてくれる機械ということである。勝手な行動を取らず、常に妻に忠実な、まじめに働き、給料を運んできてくれる一方で妻が面倒だと思う家事育児を一手に引き受けてくれる存在ということである。ドラえもんみたいに妻が困った時には魔法のように問題を解決してくれる、決して裏切らないという存在。そういうドラえもんはロボットなのである。
多分別姓婚を求める女性達は「私だってできる範囲のことはやっているんです」というと思う。つまり、ボランティアとしての働き手ということである。責任を持って仕事を完遂することは大変なことである。その責任を手放せば楽なわけである。夫が大黒柱として、また家事育児の責任者として懸命に働いている時に、「ちょっと時間があるから手伝おうか?」と気軽に言える立場。つらくてしんどい仕事は無責任に放り出してママ友と豪華なランチに逃げて行ける立場ということである。家のことを完遂できなければ夫に「なんでそんな簡単なこともできないの?それでもあなたまともな人間?そこら辺の犬猫でもそんなこと簡単にできるわよ。そんなことも出来ない人は食事も休息も抜きです。」と言ってやればいいわけである。あ、ちょっと書きすぎか。
夫の方はもちろん、反抗すればすぐにDV、モラハラ夫と言われて多額の慰謝料を支払わなければならないわけで、もう逃げ道はないわけである。妻の実家は夫にとっては義実家ということになる。もちろん、嫁姑の争いというほどのことはないだろうけれど、やはり何らかの遠慮はあるわけである。その上、妻が蹴飛ばした男兄弟達はその怨嗟を夫の方に向けてくるかも知れない。
夫の両親だって自分の子供が奪い取られることを良しとしないかもしれない。せっかく孫が産まれても妻の実家の方にだけ行って自分達の方には全くの無しの礫ということになればそれは不満がたまるに違いない。最初は別姓婚を歓迎していたとしても妻実家ばかりに入り浸り、自分たち夫実家を無視すると、その不満はどこかで噴火する可能性があるわけである。もちろん、妻にしてみれば面倒な夫の両親など無視していればいいという判断になるであろう。夫がその問題、つまり夫の両親の不満を解決すべきであり、それが叶わなければ離婚すればいいわけである。離婚しても夫が養育費や慰謝料を払えば良いわけで、文句を言うようならば夫がモラハラだった、DVだったということにすれば可愛い自分の子供はもう夫側にも会わせる必要もなく、強制的に元夫から養育費を徴収して自分の両親と共に育てればいいのであるから。
今のところ、男の生涯未婚率の上昇は男の非正規化による結婚戦線からの離脱が大きな原因と考えられているが、別姓婚が認められたら別姓婚により男が妻側に奪い取られるか使い捨てられる事例が続出することになるだろうし、そういう事例を見た男達が別姓婚に否定的になる可能性は大きいわけである。男達は安全を求めるならば非婚を貫くか、同姓婚を承諾する女性と結婚する方が安全ということになるので、別姓婚は別姓婚を承諾する極めて少数の男性と女性との間でしか行われなくなってゆくだろう。もちろん、ジェンダー平等を掲げる女性達は別姓婚の推進に動くだろうが、その成立は困難になってゆくしかないであろう。女性達は公平性を掲げるだろうが、男達はそんな損ばかりの結婚でリスクを負うよりはむしろ非婚を選択する者が多くならざるを得ないのではないか。