内蔵ストロボの影は?

初心者の方にストロボ嫌いな人がたまにいますが、私自身の経験から言うと、そういった方が嫌いなのは、内蔵ストロボであることが多いです。

嫌いな理由の一つは、内蔵ストロボで撮ると、人物が不自然に写るからだと思います。ではなぜそうなるのでしょう。

私達は、普段、太陽や照明に照らされて生活していますが、その光はだいたいにおいて下向きに注がれます。その時、影は下向きに伸びていて、みんなその影を見て、自然だと感じていると思います。あらためて身の回りの人物を見ると常に影を帯びていますのですぐに理解できるでしょう。

では、影がでない場合はいったいどう感じるでしょうか?
例えば、車のヘッドライトに照らしだされた人物を思い出してみましょう。真正面から水平に照射されたヘッドライトは、均一な光を浴びせて、人物に影を作りません。全体に白っぽく、のっぺりした感じになるのは誰もが見たり、経験しりしたことがあるはずです。

内蔵ストロボも、同じように真正面から照らすので、被写体の影を消し、不自然な感じにしてしまいます。立体感も失われるので、よい感じの写真にするのは難しくなるでしょう。

影のことは普段意識しませんが、写真を構成する要素としてとても重要なものです。写真を撮るときは、普段意識しないことも考えないといけませんが、影がその一つなのです。

ところで、この影を自分で思い通りにコントロールできるとしたら、すごいことだと思いませんか?
ライティングというのはまさにそれを行う技術です。

※ちなみに、立体感がなく不自然に見えること自体は駄目な訳ではなく、ただそういう性質の光であるというだけです。

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