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[2021年カレンダー] 9月について

みなさま、ごきげんよう。
2021年カレンダーについて、密かにご紹介しているこの企画。
2021年9月のニシユキテンカレンダーは、勢至菩薩さま。
カレンダーに使用した2D仏像顔出し看板の制作や撮影秘話など、ご紹介したいと思います。

9月

■9月のカレンダーは、勢至菩薩さまになります。

この勢至菩薩さまの顔出し看板は、2019年2月に制作したものになります。


撮影は、2020年の11月。

岡山県総社市にある備中国分寺にて撮影したものになります。

ニシユキテンには、東寺の講堂にある立体曼荼羅のほとけさまを参考にした顔出し看板が多いのですが、この勢至観音菩薩さまの顔出し看板は、特定のお寺の仏像を参考にした、というわけではなく、勢至菩薩の主な特徴を活かして制作したものになります。

というのも、実は、広島青年僧侶春秋会からのご依頼で出展した仏教イベント用に制作したものになります。『ナムポケット NAMU POKET お寺で遊ぼう!感じよう!』(本願寺広島別院|広島県広島市・2019年2月開催)という催しでございました。

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それまで、阿弥陀さまの顔出し看板がなかったというわけではないのですが、せっかくだったら、広島で開催される仏教イベントということもあり、浄土真宗・お西さん(西本願寺)系の阿弥陀三尊を参考に制作してみることにしました。

■勢至菩薩さまはどんなほとけさまなの?

勢至菩薩さまは、観音菩薩さまとともに阿弥陀如来の脇侍として祀られているほとけさまになります。
阿弥陀如来さまの右脇侍(向かって左)が勢至菩薩さま、左脇侍(向かって右)が観音菩薩さまになります。勢至菩薩さまは、単独で祀られることがほとんどないほとけさまになります。偉大な力(勢力)があらゆるところに、隈なく至る、ということで、「勢至菩薩」と呼ばれているそうです。

脇侍の特徴として、阿弥陀三尊での観音菩薩の頭上には、阿弥陀様の化仏が、この勢至菩薩には、人々を救うありがたい水(功徳水)が満たされているという水瓶が載せられています。また、観音菩薩の手元には蓮の花を持っていますが、勢至菩薩は合掌している姿で表されています。

製作した当時は気が付かなかったのですが、合掌した姿で頭上に水瓶を描けばよかったかなあ…と。でも立像だしなあ。蓮の花を手にしている阿弥陀三尊もあるわけだし、確かそれを参考にしたわけだしなあ…。
など、色々気がついてしまった今日この頃。
とりあえず、せめて勢至菩薩さまの頭上にそっと宝瓶を描き加えておこうかなと、計画しているところです。


■張り切って作ってはみたものの…

阿弥陀三尊に取り掛かるにあたり、制作当時、自分の中でかなり意識したのは、「大きさ」でした。(なんで?)
立像タイプを選んだということもあってか、

「立像だしな。
 阿弥陀さまだし、大きくないとネ…!!」(なんで??)

と、今でもその理由がよくわかりませんが、何故かいつも以上に”大きさ”をかなり意識して取り掛かりました。なんででしょう、自分の事ながら、今でも意味がわかりません。

いつも移動の時に使っている乗用車のトランク部分に入らなかったら大変だ!ということで、事前にバゲッジスペースのサイズを測定したところ、確か長さが150センチぐらいだったでしょうか。

下書きの準備をしている時も、最終的にどのくらいの大きさにするか色々迷ったのですが、結果仕上がったものは、トランクの長さとほぼ同じの150センチぐらいの大きさで仕上げた、大きな阿弥陀さまとなりました。
阿弥陀さまの大きさに合わせて、勢至菩薩・観音菩薩も若干大きめに仕上げてみました。

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「あら、なかなかの大きさだわね。
 でも、これで、両脇に、勢至菩薩さまと観音菩薩さまを従えて阿弥陀三尊の出来上がり…!うふふ。」

と、完成した阿弥陀三尊を前に、想像が膨らんでおりました。

そして、いざ、イベント当日。

車の中に運び入れる際に、事件が起こりました。

「あれ、(阿弥陀さん)入らんぞ。」

数値上では問題なかったのですが、車体のフォルムまで考えていなかったせいか、実際にトランクに詰め込むと、完全なる真四角な状態ではありませんので、目視の状態でも、かなり絶妙なギリギリ具合をみせてくれました。

「え!
 まさか、車に入らないとか…!
 え、運べないとか、だめだ、絶対!」

と冷や汗をかきながら、なんとか、顔出し看板を入れる順番を工夫し、トランク部分の一番長さのある部分に阿弥陀三尊を積み込むことで問題解決。

今思えば、もう一回りサイズが小さかった方が、装着もしやすかったし(顔の大きさに比べて胴体部分が大きい故に手を入れるときにバランスが悪くなるという難点あり)、持ち運びも楽だし、車への積み込みも楽だったのになあ、と、なかなかな冷や汗がたらりと流れる良い思い出となりました。

何事も、経験ですね。

■ふりかえり


いかがでしたでしょうか。
制作の渦中にいるときは一生懸命すぎて見えていなかったことが、月日が経過し、冷静になって振り返ってみると「あやや!!」と気がつくことが多々あるものです。
阿弥陀三尊、菩薩の奥深さに、今でも、迷ってばかりではありますが、その都度、新しい発見や気づきに繋がっております。

■オフショットと思い出記事

せっかくですので、『ナムポケット NAMU POKET お寺で遊ぼう!感じよう!』(本願寺広島別院|広島県広島市・2019年2月開催)でのオフショット写真をごらんください。

張り切ってつくっちゃった阿弥陀三尊の阿弥陀さま。

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やはり、ちょっとでかいと思います。

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個人的に好きな写真がこちら↓
知らないうちに、大道芸人の方の手に渡り、とんでもなく大きいぼけ封じ観音さまが降臨していた模様。良い記念になりました。

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ナムポケットでの様子をかいたブログ記事もあります。
参考までにごらんください。


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