道端で話し掛けられるⅡ~なに見とん?~
ここ最近よく道端でご年配の方から声を掛けられる事が多くなりましたが昨夜は若者から声を掛けられました。
~仕事からの帰宅途中~
自宅の最寄り駅に到着したのは夜中の22時45分頃。
雨が降っていて街灯も少ないため、辺りは真っ暗です。
信号待ちの間、傘をさしたままlineの返信を打ち込んでいると…。
横断歩道のさらに向こう側のコンビニの方から大きな声が聞こえて来ました。
「なに見とん?!」
老眼でもあり、よく見えませんが、なんか2人の男性が横断歩道に近づいて来ているのが分かりました。かなり若そうです。
ーケンカかな?酔っ払いかな?
関わりたくないから見んとこー
信号が変わると男性2人は横断歩道の対角線上を真っ直ぐ私の方へやって来ます。
「なに見とんやって!」
と怒鳴りながら…。
どんどんこっちに来ます。
こっちに?真っ直ぐ?!
「えーっ?! あたすぃ?!」
ースクランブル指令発信ですー
もしかして、絡まれてる?
ボンタン狩り?(不良学生の制服のズボン収集活動)私、ストレートのノーマルズボンですよ。
ボンタンはボンタンでも、ボンタンアメ持ってない?とか聞かれたりして?懐かしいな(出身は高知です)
「なに見とんや」って、この暗さで、この距離で見てるかどうかが見える?
若さって凄い。老眼で鳥目の私には羨ましい。
そう言う事じゃなくて、見てませんでしたよ。
「見てませんでしたよ」って言わなきゃ…
「なぁ、なに見とんやって!」
片方の男性が横断歩道の真ん中で私の顔をのぞきこみます。
顔がめっちゃ横になってる。と思いながらも素直な私は…。
「見てたのは、携帯ですが。」
あ、『が』って言っちゃった!
感じわるくなっちゃった。
「あ?なんや!やるんか!」
やるんか?突然のお誘いに文脈が読めずに戸惑いが隠せません。
ビー・ビー・ビー・・!!!
Warning soundぉ~お!!
ースクランブル中の最大警戒音がなっています。ー
まさにパニック!!
まさかの新手のナンパ?!
いやいや、相手と自分を見ろ、男同士だぞ?
いやいや、偏見は良くない。
男が男を好いて何が悪い?
でも、私は断然女性の方が好きですから。
相手を傷つけない断り方は…?
いやいや、パニックになるな!
きっと、そういう事ではない。
明らかにときめいている男子には見えない。
冷静になれ、現実的な解を見つけろ!
兎も角ここは、穏便に…。
「やらないです。」
間違いではないはず。
「金出せ!」
えーっ?急に?!ここで??
マジシャンみたいに出せるといいんですが、無いものは出ない。出るとめっちゃいいですよね。
内緒ですけど、実はマジシャンも仕込んでおかないと、あれ出せないらしいですよ。
「出ないです。」
「あ?」
ーおこらせた?まだ、続きます?ー
「こわいですよ。」
と言うとなぜかニヤリと笑って向こうへ行きかけました。
勝ち誇ったような顔をしていました。
成る程!誰かにマウントを取りたかったんですね。
もし、警察沙汰にでもなった日には、私の失うものを考えるとその方がマジで怖いんですけど。失うもののない若さって凄いですね。
相手にしたところできっとコテンパンに負けますし。
痛いだろうし、この歳になるとケガしたら回復遅いだろうし…。
考えてる間にせっかく少し向こうへ行ったと思っていたら…。
「やるんか!」
といいながらダッシュして戻って来ました。
もう一人もチョコチョコ走ってついて来ます。
ーえ~っ、お早いお帰りで。ー
思わずちょっと笑っちゃいました。
「いや、だから雨降ってますし、怖いんでやらないです。」
と言うと
「うっそぴょーん!」
と嬉しそうに2人で笑いながら去っていきました。
ーうっさぴょ~ん!?ー
うさぎさん…。
私にはそう聞こえました。最近、左の耳が遠くなりました。
もうちょっとで、親父狩りでしたね。
途中、相手が本気じゃないのが分かったのでよかったですがまともに言い返していたら、殴られてたかも。