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見た目に興味ないフリをしている

人を服装で判断するな、と言う人ほど見た目にこだわってる説

「人を服装で判断してはいけない」という意見は分かる。
会社員や就活生が全員スーツを着ることにも、OLが皆パンプスを履くことにも違和感を持っているし、パーカーやスニーカーの社会人がもっと増えたら良いのにと思っている。

だけど私は、服装の選択肢が個人にゆだねられつつある現代だからこそ、”服装には確かにその人の性格が出る”と考えている。

スーツだから真面目そうとか、ラフな格好だから柔軟そうとか、そういう問題ではない。”どんな意思で服装を選んでいるか” が人となりに直結しているように思えてしまうのだ。

例えば、かっちりとした場所にパーカーやスウェットで来る人は、本当に服装で自分を判断されたくない人なんだろうか。そのカジュアルな佇まいがマイナスに働く可能性を十分に考えたうえで、それでも自分の身を挺して見た目で判断する社会に反抗してパーカーを着ているのだろうか。

それぐらいの強い意志をもってカジュアルを貫く人は恰好良いと思う。
だけど「この場に馴染もうとしていない人なんだな」と感じてしまうこともある。

これまでの時代にフォーマルなドレスコードが推奨されていたような場所では、スーツまでは着なくても襟付きのシャツで行こうと考える人の方が常識があるように思える。「場に馴染もうとしている人=常識人」という構図が私の脳内には少なからずある。
運動するときには動きやすい服装で来るのが「マナー」だとすれば、フォーマルな場に馴染もうとする姿勢もまた「マナー」ではないかと。

常識人かそうじゃないか、の判断は人それぞれとはいえ、服装には「他の人にこう見られたい」という考えが少なからず表れているはずだ。

「服装から何にも思われたくない」という考えも「ほかの人にこう見られたい」のうちの一つだと思う。また、「自分自身がこんな雰囲気の人でありたい」という想いが服装に表れるケースも多いだろう。

場に馴染みすぎる恰好が出来ない

私は、”その場所にハマりすぎた恰好は出来ないけど適度に合った恰好”をいつも心掛けて服装を選んでいる。

物心ついたときから人の目を気にしていた

小学生くらいの時から、遊びに行くときは1週間くらい前から「〇〇するときのおすすめの服装!」みたいなまとめサイトを絶対に見ていた。
調べたものを採用するわけではない。
〇〇するときにどんな条件を満たせばいいのかを知り、それをクリアできて且つ、狙ってはいないような服装の「正解」を出すべく、自分のクローゼットとにらめっこして考えるのだ。

クラス会やラウンドワン、映画など友達と会うときはいつもそういう服の選び方をしていた。そして当日は、「あたかもその日に適当に着てきました」みたいな顔をして出かける。

大人になってからは、だいぶ自分の好きなものを選べるようになったが、いまだに”ハマりすぎる服装”を避けてしまう傾向がある。

例えば、アウトドアのときにオーバーオールを着ることができない。BBQにデニムのオーバーオールを着てくる人が眩しくて、憧れがある。

祭りは行ったことないけど、夏祭りでは浴衣を着れない。
行ったことないけど、ひまわり畑で麦わら帽子は被れない。

服装から”楽しもうとしてる感じ”が溢れているのがこそばゆくて、恥ずかしいと思ってしまう。でも僻んでいるわけじゃなくて、夏に夏らしい服装が出来る人になりたいという気持ちはある。

音楽ライブにバンドのTシャツを着ていくことだけは全然許せる。なんでだろうな。

仕込みまくった”適当な服装”

私はいつもしっかり天気予報を見て、その日行く場所や環境、シチュエーションを考えて服装を決める。でも、めちゃくちゃ何も考えてませんよ、という顔をして過ごす。

雨の日にカッパとかレインブーツを履けないけど、裾がつきそうなパンツとかは絶対に履かないし、実はめちゃくちゃ考えて水をはじく素材の服を着ていたりする。

行く場所が定まっていない予定のときは、もしかしたら座卓でご飯を食べるかもしれないので、どこで靴を脱ぐことになっても良いように裸足を避けるようにしている。

何を食べることになるか分からないから、真っ白のブラウスや袖がひろがっているような服も避けたりする。公園の階段で座ることになるかもしれないから、白いスカートやパンツは履かない。

自意識過剰すぎてもどかしい

服の感じ良いな、と思ってもらうのは嬉しいけど、お洒落してると思われるのは恥ずかしいと思ってしまう。すっぴんじゃなくて化粧はするけど、すごい頑張って研究して化粧してるとは思われたくない。

数か月前に、初めて会った女の子に「まつ毛赤くて可愛いですね!」と言われた。確かに私は、黒いマスカラだと目が強くなるのが嫌で、尚且つ茶色はなんか顔色に合わない感じがして結構考えた結果、赤っぽいマスカラを使っている。のだが、素直に嬉しいリアクションができなくて、「あれ、赤かったですっけ?なんか適当に使ってましたね」と適当な言い訳みたいな言葉を並べることしかできなかった。

隣にいた先輩に「照れてるの面白い」とまで言われて、それはそれで照れてると思われるのも恥ずかしいから咄嗟に無視してしまい、めちゃくちゃ不自然に話題を変えた。

あぁ、まだまだ生きるの下手だなぁ。


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