【表現評論】メモリーズオフ イノサンフィーユ コアレビューその37 ヘビィサイド Twinルート7【全作再プレイシリーズ】
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⚫︎累ちゃんのノエル評
ノエルと寿奈桜から日紫喜パイセンの誕生日会に誘われる累君。ケーキバイキングの女3人と参加するなんて地獄では。それでも滅多にお願いしないというノエルに押されて参加を承諾します。いうほど滅多にお願いしないか? どうもこの作品は累ちゃんのノエル評と西住のノエル評が一致していないところがある。口でお願いはしないだけだけで、態度で押し通そうとすること多ない? 僕の中ではノエルはかなりのわがままキャラですね。その辺りクロエパイセンとそっくりではないか。親が大企業の社長で上級国民だし、誰もが振り向く可愛さだからね。わがままになるなという方が無理よ。そこは仕方ない。上級国民の割にはわがままじゃない方かもしれない。上級国民をどれだけ知ってるのかって話ですが。あーあ。琴莉を放っておいて他の女とイチャつくなんて酷い男ですわ。かわいそかわいそなのです。
⚫︎バッティング
誕生会をウキウキで楽しんだ帰りに、琴莉とバッティングします。天国から地獄。母親がいる病院に近くだったらしい。目があった瞬間全力ダッシュで逃亡します。酷い。その後は瑞羽が気を遣ってくれたので、特に追求されることなく終わります。瑞羽って琴莉の存在知ってるんだっけ。知ってたら当然の対応な気はするし、知ってなかったら変な気がするし。知らなかったとしても、瑞羽の洞察力を考えると、見たら一発で柚莉とわかりそうなもんですが。どうなんだろう。何も覚えてない。
なぜ柚莉が全く気にしていないのか。琴莉が架空の人格だという病識がなかったらそうなる方が自然なんですかね。架空の人格に好き好き言われてもどうしようもないことくらい、すぐわかるだろうし。実在の琴莉が自分に憑依しているくらいの認識なんでしょうか。
⚫︎柚莉からの電話
バッティングした翌日に柚莉からの電話がかかってきます。累ちゃんが莉一の言うとおりにしてる(琴莉と会わないようにしている)から悩んでるんじゃないかと思って電話したとか。
このセリフ痺れますね。リーチの味方でもなく、琴莉の味方でもなく、ルイの味方だと。やっぱりイノサンフィーユは柚莉なんだよなぁ。
しかしこの状況、見ようによっては琴莉を使ってルイを困らせて自分の方に引き寄せようとしているようにも読めますね。邪推マンならそのくらいは考えそう。でも柚莉はそんなことしない。なぜか。それは柚莉だから。
⚫︎教会で会話
柚莉の提案で、対面で話そうと教会で待ち合わせします。とりあえず柚莉は自分の状態が普通でないという認識はあるようです。ルイに心配かけるようなら、琴莉にちゃんと伝えようとも思っていたと。でも累ちゃんはわりぃ、やっぱ琴莉をなかったことにはできねえわ、という結論に至っています。
その後の会話はやーばい。メモリーズオフの全てが詰まっている会話。
柚莉が累ちゃんのことを好きなのは確定的に明らかだと思いますが、それを胸の内に抱えて、このセリフを口にできるのは、感動するというか、これがメモリーズオフなんだよなぁ、って感じですよね。リーチの味方でもなく、琴莉の味方でもなく、ルイの味方。それが本心であるところを見せてくれます。自己犠牲、ほんのちょっとのわがまま、積年の思い。魂のヒロイン3点セットが柚莉には宿っているのかもしれない。本当に魂のヒロインかどうかは全てが終わった時にはっきりする。
琴莉が忘れられないという発言を聞いてそれなりにショックを受けていそうですが、身を挺してルイのために場を和ませることを忘れない女。ルイの味方、という言葉が口だけではないところを見せてくれます。そしてあたしはルイと琴莉の中を取り持つとまで言ってのける。
自分よりも主人公の幸せを願うヒロイン。これは「魂」。