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【表現評論】メモリーズオフ イノサンフィーユ コアレビューその33 ヘビィサイド Twinルート3【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎琴莉とデート

琴莉とデート。教会で待ち合わせ。ちょこのやり取りで琴莉がこの辺の地理に詳しいことがわかります。実質柚莉なんだから知ってて当然である。とはいえ、累君も本心からウッキウキなわけではない。生きてるとか嘘でしょ。葬式だってしたんだからありえないだろみたいな。嘘の葬式ってなんやねんみたいな。これがイノサンフィーユのトリックの凄いところですわ。

とかなんとか考えても、実際琴莉に会うと全部吹き飛びます。初恋の女だからってウキウキしてる場合じゃないんだよ。琴莉という人格を作り出してまで累ちゃんに愛されようとした柚莉先生の心境を考えてくださいよ。わりぃ。やっぱつれえわ。言えたじゃねえか。そりゃ、つれえでしょ。聞けてよかった。もうあのシーン完全に覚えてるよ。

この作品は柚莉に一番愛を感じるわ。やっぱり愛だよね!

⚫︎同じ飲み物を飲む二人

柚莉が琴莉に提案したカフェに行く二人。同じ飲み物を二人で飲むみたいなやつをやってるけど、こんなの実在するんですかね。公衆の面前で飲んでたら恥だろ。家で飲め。家で。柚莉が自分がやりたいことを琴莉人格に提案してやらせてると考えるとなかなか趣深いものがある。デートが終わってにやけてるとノエルに目撃されていたという。久しぶりに鬼嫁来たな。

⚫︎連日デート

連日デートで同じ服を着てくる琴莉さん。突っ込んではならないのが恋愛ADVのお約束。琴莉に芦鹿島を連れ回されてへばってる累君です。体力ないからね。でもこの時点でおかしいんだよな。琴莉は運動苦手だったわけで、小さい頃なんかこの累ちゃんよりも遅かったわけでしょ。琴莉はピンピンしてるのに累だけへばってるのは不自然である。まあこの琴莉が柚莉だとわかってるからそう思うんであって、初見ではなんとも思わなかったんですが。

「まさか琴莉が、階段登ろうって言うなんて……」
「? 変だった?」
「どちらかっていうと、柚莉が言い出しそうな気がしたからさ」
「……」
中略
「今日のプランを練ってくれたのも、柚莉ちゃんなの」

メモリーズオフ イノサンフィーユ

なかなか言い訳じみているが、恋は盲目なので累ちゃんは完全にスルーです。どうした。いつもの冷静なお前ならすぐ気づくんじゃないのか。言うほど冷静な時はないよね。累ちゃん。

⚫︎柚莉と琴莉の会話 その2

柚莉視点で琴莉と会話してるシーンが出てきます。これな〜。不自然なほど二人一緒に出てこないし、一緒に住んでないし、わざわざ電話で会話しているし、さすがにユーザーも正体に気づきそうな感じの頃合いです。わざと気づかせようとしてるのかと思うほど。

⚫︎柚莉とデート

流れで柚莉とデート。柚莉はゲーセンで格ゲーやってます。まあまあ強そう。お? 俺と勝負するか? 10先やるか? 俺カルル使うからお前テイガーな。ダメ? じゃあ俺ベガ使うからお前ダルシムな。ダメ? じゃあ俺秀吉使うからお前伊達な。この流れ前もありましたね。あすかの時か。

ここで色々と柚莉のパーソナリティーが語られる。運動神経抜群だけど飽きやすいから本気の人には勝てないとか、昔から何かと人に譲る優しい子なんじゃという累ちゃんの過去語りとか。本気の人には勝てないというのは、琴莉に勝てないことも指していると思われます。もっと熱くなれよ! どうしたんだお前は! そんなもんじゃないだろ! 当然出てくる修造先生。

柚莉は最終回で二度と魔法が使えなくなることを引き換えに人々を救うという魔法少女アニメに影響を受けていたようです。これが何かの伏線かといえば、特にそうでもなかった気はする。

累ちゃんに褒められて暑くなったのか、制汗スプレーを自分に振りかけているCGが出てくる。これまーじで可愛いな。このCGがイノサンフィーユで一番好きかもしれない。しかしなぜ制汗スプレーのシーンをCGにしようと思ったのか。謎。

琴莉のことを累ちゃんぐに聞くことが目的だったわけですが、結局何も聞かずにデートを楽しんだだけでフィニッシュしました。何しにきたん。君。

琴莉という人格がどういうポジションに位置してるのかよくわからないですね。自分からはデートできないから琴莉に仮託してるのかと思ったけど、これ見るとそういうわけでもなさそうだし。それとも琴莉とは2回デートしてもらったから、自分も1回くらいええやろみたいな話なのか。ちょうどいい具合にいろんなことを忘れてるので、このルートはなかなか楽しい。単に罪悪感から生まれた人格なのか。自分が表現できないことを仮に託す人格なのか。どっちもなのか。どっちもか。

⚫︎柚莉と琴莉の会話 その3

やっぱり柚莉ちゃんも累ちゃんのこと……みたいな感じでやや険悪になっている。そらそうよ。人格同士が喧嘩しだすとどうなるんでしょうね。普通に考えたら安定はしなさそうだけど。ただ全部一人の人間がやってることだかからな。

「琴莉も累ちゃんにおはようって言って、一緒に電車を待って、校門をくぐって……」
「一緒に勉強したり、放課後を過ごしたり……一緒に学生生活、送りたいのに」

メモリーズオフ イノサンフィーユ

こういうのを見ると、妹への罪悪感と累ちゃんの愛で板挟みになっていると考えるのが正しいのか。

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