【表現評論】メモリーズオフ イノサンフィーユ コアレビューその21 ライトサイド 寿奈桜ルート2【全作再プレイシリーズ】
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⚫︎三角関係
寿奈桜視点に切り替わって、ウチ、ルイ兄が好きやねんという独白が入ります。でもさ〜、ルイ兄は嘉神川のだしさ〜という葛藤。別に誰のものでもないし、今回はノエルがちんたらしすぎですわ。攻め時を間違える人はダメです。勝負事は攻め時を逃すと負ける。
そうか〜? 頭が良いとか全くお呼びでない。霞くらい頭が切れて配慮もできるんならいいけど、単に頭がいいだけとか、変な思想に被れてそう。ノーサンキューですわ。頭空っぽで夢詰め込める方がいい。男が好きなのはおバカで可愛くてスタイルが良い女の子だよ。つまり寿奈桜じゃん。
オレオレ。ここにいますよここに。顔なんて一定ライン超えてたらみんな一緒だから。もう悲しき過去とか複雑なトラウマとかええねん。おバカで明るくて可愛かったら最強だから。そういう意味でやっぱり結乃は唯一無二のキャラだった。メモリーズオフにあるまじき光の戦士だし。寿奈桜ですらちょっと重いもんな。
寿奈桜は自分は何も決められない人間だけど、ノエルは自分で考えて自分で決められる人間だと考えています。そこが自分とノエルの違いだと。なんかいますよね。何事も自分で決められない人。なぜなのか。決断拒否病みたいな。決断拒否の極地がちはやだったわけですが。あれは決断拒否病に至るまでの過程がそれなりにはっきりしていたのでまだいいんだけど、寿奈桜は特にそうなった理由がない。生まれつきそうなのか。
歳食ってくるとわかりますが、人間の価値って能力の高さじゃなくて、決断して責任を取ることにあるんですよね。人生はいかに早くそれに気づくかが大きい。
⚫︎ノエルと累
ウチ嘉神川のこと応援するから! と言って身を引こうとする寿奈桜。ノエルにも累にも寿奈桜の気持ちはバレてるようなので、痛々しさすら感じられる。ノエルもなんか思うところがありつつも、くっつけようとする寿奈桜の提案に乗っている。
買い出しでノエルと二人で累君と待ち合わせしているシーンが入ります。
ここでイケメン度の序列がはっきりします。ハイパーウルトライケメンなのが莉一で、まあイケメンなのが累君。芸能人とぱっと見イケメンくらいの違いはありそう。嘉神川と並べられてウチを選ぶ人いるのかなって言ってるけど、莉一と累君並べても累君を選ぶ人いっぱいおりますやん。人間顔じゃねえんだよ(※ただしイケメンに限る)。
とってつけたような理由を早口で捲し立てて、ノエルと累君を二人きりにする寿奈桜。悲しい。
大切な人の大切な人を好きになってしまったといえば、詩名ルートが思い出されますが、構造が似てますね。詩名にとってはちなつは恩人、寿奈桜にとってもノエルは恩人。恩人の好きな人に好意は伝えられない。それでも詩名は向こうが気づいてくれるならワンチャンあると考えてましたが、寿奈桜はそんな発想もなさそう。似ていると言いつつこの二人で決定的に違うのは、直樹はちなつに対してほとんど恋愛感情がなかったことに対して、累君はノエルに好意があるところです。立ち位置としては寿奈桜の方がしんどい。詩名と違って小細工で頭が回るタイプでもなさそうだし。
⚫︎だって涙が出ちゃう
累の部屋で勉強する3人。ノエルと累をとにかくくっつけようとしている寿奈桜ですが、無理が祟ったのか、自分でも気づかないうちに泣き出しています。よく泣くなぁ。寿奈桜ちゃんは。作中ですでに3回くらい泣いてないか。男が泣いていいのは人生で3回しかないというのに。1回目は生まれた時。2回目は親が死んだ時。3回目はメモリーズオフを全作クリアして長編レビューを書き上げた時。あと寿奈桜とノエルと柚莉と琴莉と瑞羽をクリアしたら泣いていいんだ。長かった。1年の余暇の大半を注ぎ込んだ気がする。いやいや、まだ終わってねえって。
寿奈桜はもうここにはいられないと、部屋から出て行きました。悲しい。なぜこうなってしまったのか。それもこれもノエルがちんたらしてるから悪い。さっさと累君とくっついていれば丸く収まったのに。やたらとノエルに厳しい男。