【表現評論】メモリーズオフ イノサンフィーユ コアレビューその２３ ライトサイド 寿奈桜ルート４【全作再プレイシリーズ】
●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。
⚫︎前回の記事
⚫︎莉一からアドバイス
状況を察している莉一からアドバイスの電話がかかってきます。
「もし、誰も傷つけないために、嘘をつくならやめた方がいい」
「僕は……僕たちは、そうやって壊してしまったものが多すぎる」
ヘビィサイドの真相を知っているとなかなか趣深いセリフですね。累君は「僕は」よりも「僕たち」に注目していますが、ここで本当に言いたいのは「僕は」の方じゃないのか。この物語の発端は全て莉一にあると言っても過言ではない。莉一が壊してしまったものだらけです。莉一本人も柚莉も全て壊れてしまってるよ。全部！ 全部全部全部だ！ 真相はヘビィサイドに譲る。
⚫︎究極の二択
ノエルとデートと思いきや何故か寿奈桜もいるという謎構図。何故いるのかといえばノエルが呼んだから。お前、いい加減決めろよ、という圧をかけてきています。やめてくれ。人に責任を押し付けないでくれ。と言いたげな累君。全員責任回避ムーブを続けている。最終的にどっちが作ってきた弁当を食うか決めろという選択肢に持ち込まれます。現実にこんなシチュエーションあったらどうしよう。でもすまん。時代はパツキン少女よりギャルなんだ。小さい頃から周りとの関係に悩み、今もかつての親友と今の親友との間で揺れ動き、次は親友と男の間で揺れ動く、選べない二択に常に悩まされ続ける寿奈桜さんこそメモリーズオフの真ヒロインに相応しい。ノエル？ 大丈夫大丈夫。その気になれば明日には累君よりいい男が見つかるから。空想彼氏持ちの痛キャラの寿奈桜さんには累君しかいないんだよ？ もう寿奈桜選ぶしかないでしょうが。唯笑には智ちゃんしかいないんだよと一緒だよ。寿奈桜にはルイ兄しかいないんだよ。ノエルなんかモテまくりなんだからいくらでも相手おるやろ。累君よりノエルの方が格上だし。ほたる健ちゃんとかクロエ志雄君と一緒。いやでもどうだろう、何気にクロエはこのカテゴリーではない気がする。相手できるのは志雄君しかいなさそう。
話が無限に飛んでいくので閑話休題。RAINシステムと言う誰も名前を覚えてないシステムが出てきたので寿奈桜を選びます。で、なんかよくわからんけどビンタしあってお互いに宣戦布告しています。お互い譲れないみたいな。もっと早く宣戦布告すべきだったみたいな。
「……でもね？ ハッキリ言って、わたしが勝つと思うの」
…………。
「へ、へぇぇ……そういうこと言っちゃうんだ」
中略
「……ひょっとして、ケンカ売ってる？」
「そう思ったなら、そうかも。だって、これから楠瀬さんを巡って争うことになるんだし」
昔からモテにモテまくってきた容姿SSSランクの私が容姿Aランクくらいのモブに負けるわけないでしょ的な自信が窺えます。だからこっちは寿奈桜を選んだんだっつーの！ 勝手に争い始めないでくれます？ やめて！ 私のために争わないで！
とりあえずクリスマスまでに結論を出せと詰められました。だからもう選んだんだっつーの！ 勝手に話進めないでくれます？ 弁当食えないうちに夕方になってるしよぉ。どうなってんだよこいつら。
⚫︎信君に相談だ
カフェで信に相談すると、珍しくまともなことを言っています。
「キミにとって世界で一番の女の子がふたりいて、そのどちらかを選ばなければならない。それだけのことなんだよ」
「キミに必要なのは人に相談することじゃなくて……」
信さんが、ちらりとお京さんの方を見た。
「自分で考えて、自分で決断することだ」
信もちょっと良いこと言おうとするとダメダメだけど、等身大の言葉はやはり刺さりますね。そうだよなぁ。本質は比較不能な二択を選ばなきゃいけないところにある。そもそも選択で迷ってること自体、比較できないからですよね。どっちかの方が明確に上なら、比較できる基準があるなら、迷うこともないです。そして選択不能な二択を選ばなきゃいけないのが、メモリーズオフの醍醐味とも言える。1stなら唯笑彩花、2ndならほたるその他、想君は音緒カナタ、それからはいのりその他、＃５はう〜ん、特に二択はない気がする。あすかはそもそも眼中になかったし。T-waveはりりす智紗、ゆびきりはちなつ霞。でもさ〜、僕なら迷わず寿奈桜なんだよね。全世界の調和的に考えて。なんだよ全世界の調和って。だってノエルいくらでも相手いるしさ〜。唐突に謎の概念を持ち出す男。
それはそれとして、お京さんと信君っていつそんな関係になったわけ？ マジで。前も言ったけど、ゆびきりではそんな気配１ミリもなかったでしょ。ということはゆびきり作ってる時はこの二人をくっつけることは全く考えていなかったということで良いのか。すでに何回も言及してますが、信の結婚話はグランドフィナーレ後に総括します。そこまでたどり着くのいつになるんだろう。