見出し画像

【表現評論】メモリーズオフ イノサンフィーユ コアレビューその58 ヘヴィサイド 真相ルート8 【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎莉一からの電話

大変だったねと莉一から電話が来ます。白々しいとはこいつのためにあるセリフか。やっぱ口が回るやつは信用できませんわ。現実でもそう。

⚫︎カフェで瑞羽と会話

貸切の店内になぜか瑞羽が現れます。なぜかでは無いけど、知らない人から見るとなんでやねんとしか言いようがない。

「君は……。楠瀬くんは、ノエルのことを、どう思っている?」
中略
「大切にしたい。そう、思っている」
「なるほど……」
中略
「うん。好きなんだ、彼女を。俺は」

メモリーズオフ イノサンフィーユ

なんでこんなこと聞いてくるのか謎だけど、まあ琴莉(本物)だからね。それは聞きますよ。目の前で愛の告白を聞かされてる琴莉さんの気持ちを考えたことあるんか。私はそう言いたい。知らないからしょうがないけど。以前から言ってるように、霞と瑞羽はかなり役割が被ってますね。霞の方がだいぶ関わりは深いが。一緒に暮らしてたし。

それにしてもさ〜、ここまで言っといて、マジでこっから瑞羽とくっつくの? 俺の記憶違いじゃないよな。君と出会えて良かったとかさ。聞けて良かったとかさ(言ってない)。好きなんだとかさ。実はノエルとくっつくいて終わりじゃないのか。そう信じたいくらいの発言である。ほたるを振るよりも鬼畜度は高いのではないか。

瑞羽のことを考えるとなぜか涙が流れる累ちゃんさん。琴莉(本物)だからね。『琴莉』とは違う本物の琴莉。

⚫︎作中最大の謎シーン

ノエルが誰かに呼び出された形跡を発見し、教会の前に向かう累さん。ここで作中最大の謎シーンが出てきます。どういうシーンかといえば、ノエルを襲う暴漢と格闘している瑞羽が出てくるシーン。謎すぎるだろ。どうやったらこんなシーンを思いつくんだ。

瑞羽が対峙している相手は、琴莉っぽく見えるけど琴莉じゃない柚莉の第三の人格です。やたらとナイフを振り回す女。ようやく出てきたよ。希莉さん。こんなに出てくるの遅かったんだな。もう最終盤ですやん。二重人格キャラに隠された3番目の人格が出てくるって結構定番の話ですよね。

琴莉(希莉)は出てくるや否や、いきなり確信的ネタバレをかまします。

「……ちょっと、コトリちゃん! さっきから邪魔だよ!」
「ていうより、なんでここにいるの?」

メモリーズオフ イノサンフィーユ

なんでこいつは瑞羽が琴莉(本物)だと気づいてるんだろう。普通に見ただけでわかるのか。それとも調べたのか。謎。全然覚えてない。莉一が調べたのか。

「あ、でもでも〜、ふたりが一緒なのを見ると、いろいろ思い出してくるよ〜」
「コトリちゃんを守るためにぃ、お父さんを、こお、ボコーンって殴り倒したカサネちゃん、あれ、格好良かったぁ♪」

メモリーズオフ イノサンフィーユ

コアレビュー並みに唐突なネタバレをかましてくる。瑞羽が何が何でも隠そうとしていた事実をいきなり開示されます。ひどい。全部ネタバレかまそうとしたところで瑞羽に止められてこの場は終了。琴莉(本物)に免じて許したるわ。カサネちゃんに近づくなよてめえよぉ。とノエルに言い残して去っていきます。なぜ琴莉(本物)には甘いのか。身近にやべえガチ恋勢がいるから琴莉(本物)には甘い。

⚫︎事件の真相

外で瑞羽と一緒にいる時に高熱で倒れた累さんの回想。あの火事の日の真相が語られる。真方家を外から覗いていた累さんの視点です。その昔、柚莉を殴っていた酒酔いクソ親父(元エリート商社マン)に莉一が飛びかかって、その弾みでばら撒かれた灯油に火がついたという話ですが、どうやって火ついたの? 灯油がばら撒かれるまではわかるが、何が火元なんだ。で、家が燃えてるのでみんな逃げたけど、殴られたことで怒り狂ったクソ親父がなぜか手元にあったナイフを振り回して、琴莉(本物)に襲いかかっていたところ、累ちゃんが割って入って、転がっていた酒瓶で頭をフルスイングし、二人で逃げようとしたものの、崩れていく柱に引っかかって出られなくなり、以下略という感じの真相です。これ親父はそのまま火事で死んだんだよね。何を罪と呼ぶのかは人それぞれですが、情状酌量の余地は大きいとはいえ、間接的に人を殺したレベルの行動をしているので、相当に重い罪ではある。傘持ってきてと呼び出して交通事故に遭ったという、初代の出来事と比べると、相当に因果関係は強い。まあ親父が死んだのはこれが本当の原因じゃないんだけど。柚莉の第三の人格がその出来事を知っていたことが真実を示唆している。

⚫︎引っ張って引っ張って引っ張って〜

自宅のアパートで目を覚ますと、そばにメガネを外した瑞羽がいました。全て(全てとは言ってない)を思い出したところで、ようやく真相が明かされる。

「わたしは、ね? 7年前に死んだことになっている、真方……琴莉です」
「累ちゃん」

メモリーズオフ イノサンフィーユ

いやぁ。ここまで待たせた本物の「累ちゃん」は沁みるな。瑞羽がずっと黙っていたのは、親父を酒瓶でフルスイングしたことを思い出せないためでした。

「俺の罪は、琴莉を守れなかったことではなく、守るためにしてしまったことだったんだな」
「俺がおじさんを殴ったから、それが原因でおじさんは気を失ってしまって……あの場から逃げることが出来なかった」
「それは、わたしを守るため……。累ちゃんは、悪くない!」
中略
「これは、罪だ。思い出した以上、無かったことにはできない」
「だからわたしは、あなたに思い出して欲しくなくて……」
「だからわたしは、あなたに近づいちゃ、仲良くしちゃいけなかったのに……」
「ごめんなさい、ごめんなさい……」

メモリーズオフ イノサンフィーユ

この構造、霞と全く一緒なんだよな。愛のために愛を捨てる。主人公のために自分を捨てる。初見プレイの時思いましたもん。え? そのネタゆびきりでやったばっかりですやん、みたいな。2連続で使うか、みたいな。7年も空いてるから連続も何もない。毎日一緒にいるのに何も明かせない霞の方が自己犠牲強度が高いので、むしろイノサンフィーユは弱くなっているとも言えますが。

まあそんな細えことはどうでもいいんですよ。なぜなら可愛いから。やっぱり真ヒロイン、なんだよなぁ。あまりに真ヒロイン。見た目が全てを駆逐する。ノエル? 真相ルートでも優遇されてきたけど、真ヒロインの前にはあまりに無力だった。可哀想。

いいなと思ったら応援しよう!