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クラウドファンディングと信用~西野さんと緒方さんの対談から~

この前、NHKのEテレで放送されている「SWITCH」という番組を見ていたら、お笑い芸人の西野さんと声優の緒方さんの対談が放送されていました。

後半しか見れていないのですが、その話の中で印象に残ったところがあったので、今回はそのお話を。

1.クラウドファンディングは「信用」の両替機

西野さんは多くの人が知っているように、絵本をクラウドファンディングで集めた資金を使って完成させました。また、緒方さんもCDをクラウドファンディングを使って作ったりしています。

クラウドファンディングというのは、小口の出資をあつめることで目的を達成するもので、出資者は決まったリターンを得ることができます。

そんなクラウドファンディングですが、仲介しているサイトを見るとかなりの量のプロジェクトが公開されています。これには成功しているものもあれば、まったくお金の集まっていないプロジェクトもあります。

ここから分かるように、クラウドファンディングは魔法の杖ではありません。失敗する可能性も十分あります。

対談の中でもこの話題が出て、西野さんは「クラウドファンディングは金のなる木ではない」と話していました。

そして、何がポイントかと言えば「クラウドファンディングのポイントは『信用』にある」というのです。

確かに、「この人誰なんだろう?」という人がやっているプロジェクトに出資することはちょっと考えにくいですね。やる人は「いいプロジェクトなら」と思うのでしょうが、出資する人はそれよりも主催者への信用を重視しているのです。

だから、西野さんは「クラウドファンディングとは『信用』の両替機だ」と表現していました。

これは「なるほどな~」と思いました。


2.信用を得る方法は?

では、その「信用」を得る方法は何でしょうか。

西野さんは「信用を得るのは『嘘をつかない人』だ」と言っていました。

別の言い方をすると、「立場にとらわれず、個人で自立している人」だろうと思います。

仕事、特にサラリーマンや請負の仕事をしている場合、必ず立場が発生します。日本人はこの立場にすごく敏感で、私たちは立場に合ったふるまいを要求されます。(仕事のみならず、日本文化では様々な立場があります)

この立場を軸に行動を決めていくと、「自分の感情」と「立場で要求されているもの」にズレが発生することがあります。そして、立場に則る行動をすると「自分に嘘をつく」ことになります。

西野さんの例でいえば、「テレビのグルメ番組」です。自分では美味しいと思えなくても、リポーターは立場上美味しいと言わなくてはいけない。このズレですね。

立場に忠実である人ほど仕事では評価されます。一方で、仕事から離れた場では「どんな人か分からない」となります。だって、立場に従順であれば従順であるほど個人の考えは出てきませんからね。

これに慣れすぎてしまった人が、定年になった後、まったく友達がいない、つくりかたも分からないみたいなことになってしまってるんですね。


3.認知タレントと人気タレント

この話をタレントに当てはめると、立場に忠実なタレントは仕事が増えてテレビに引っ張りだこになります。

テレビに引っ張りだこになると視聴者が目にする機会が増えるので、「認知度」は上がります。この「認知度」が高いタレントを「認知タレント」と西野さんは言っていました。

しかし、西野さんは「認知タレント」は、「人気タレント」ではないと言います。それは「好感度が下がるから」です。この好感度は「人っぽさ」や「信用」になるのだと私は解釈しました。

つまり、本当の「人気タレント」というのは、仕事から離れても「人間味がある」、「信用できる」と思われる人ということです。

そして、人気タレントになるには信用を得るために「嘘をつかない」ことが必要だ、というわけです。


4.個人ブランディングのカギは信用にある

この話を聞いていて、これは個人ブランディングのカギだな~と思いました。

個人ブランディングをするにはファンになってもらう必要があると何度も書いていますが、このファンというのは西野さんが言うところの「人気タレント」につくものです。

だから、個人ブランディングをしようと思えば、「人気タレント」にならなくてはいけないのです。これはファンの数ではなく、ファンの質が重要です。

質のいいファンを得るために必要なのが「信用」であり、「嘘をつかないこと」、「自分の価値観を表明すること」だったりするわけです。

この個人ブランディングが上手くいっている場合にクラウドファンディングも上手くいくんだろうと思いました。

とっても勉強になる回でしたので、再放送は全部見ようと思います(笑)

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