見出し画像

フロントバックサポーターを作ろう(1)

新しいランドナーを家に迎え入れたので、SOMAのグランドランドナーV3は軽快なエンデュランスロードにしようと、フロントバーバックなどを使ってバイクパッキングスタイルにすることにした。しかし、ライトのマウント位置など色々とフロントキャリアの恩恵にあずかっていた身分としては、フロントキャリアの利便性が忘れられないのであった。だったら近しい機能を持ったフロントバックサポーターがないかと探し始めるのだったが…

そもそもフロントバックとは

 書いて字のごとし、ハンドルバーにベルクロなどで巻き付けて使うバッグだ。大体、ドラム型やハーネスタイプのものが多くて、四角いボックスタイプのものがある。バイクパッキングブームに伴ってハンドルバーバッグを見る機会が増えていると思う。当然、私も持っていてトピークとキャラダイスのハンドルバーバッグの2つを持っている。

 ハンドルバーバッグはとっても便利で、開閉方法にもよるが、ファスナーとかならパカパカと開けたり締めたりしてとってもアクセスしやすい。特にトップチューブバッグが足に当たって困り果てていた人にとってはいいバックなんじゃないだろうか。

これはキャラダイスのハンドルバーバッグ。LELでは大変お世話になりました。

じゃぁ、ハンドルバーバッグサポーターってなんだよ

 ハンドルバーバッグサポーターはハンドルバーバッグの座りを良くするためのキャリアの一種である。ハンドルにベルクロで巻き付けているだけのバッグのお辞儀を防ぐためのギアで、ハンドルの下の方にバッグが移動しちゃって、物がとりだしにくいっていうのを防ぐためにある。フロントキャリアとの差は、ハンドルバーバッグ用なんで天板、この場合底板というべきか、の位置が高くて、あくまでサポーターなんで耐荷重が少ない。大体5㎏くらいとかのものが多い印象だ。ライトマウントを増設したりできて、ハンドルバーバッグをつけた時のライトどこにつけるのか問題を解決してくれたりもする実に便利なギアなのである。

フカヤのサポーター。コラムスペーサーの代わりにこれを入れて留める。
つまり面一でコラムを切った人は使えない。残念でした。

あるなら買えばいいじゃないと思ったら

 まぁ、市場に出回っているほとんどのフロントバックサポーターはヘッドスペーサーの代わりに刺して使うものが一般的で、それは大体が1-1/8といことになる。今私の乗っている自転車は、SOMAのグランドランドナーV3でスレッドステムになっている。つまり1インチだ。一応、ハンドルに引っかけて使うタイプのサポーターがあることは知っているのだが、SPORTS DEPOじゃ取り扱いもないから、買うこともできないのだった。それに選んだフロントバーバッグの容量は10L、耐荷重5㎏程度ではちょっぴり心もとないのであった。だってライトマウントしたら後どれだけ荷重に余裕があるだろうか…うーむ、どうしよう。

こうやって見るとマジで馬鹿デカイ。デカいからサポーターは必須だ。
フロント積載推奨のグランドランドナーV3ならこれくらいがちょうどいい。

ないなら作ればいい!ドゥーイットユアセルフ!

 というわけで、殆ど溶接の心得などないが、思い切って鉄の丸棒を加工して理想のフロントバックサポーターを作ろうと思い立ったのだった。去年見たアニメ、どぅー・いっと・ゆあせるふ!に断じて影響を受けたわけではない。アニメの中でけっこうぶきっちょなせるふちゃんだって頑張ってたし、私も頑張ってみよう。イメージはキャラダイスのバックマンQRをハンドルバーにクランプするようなイメージだ。

 とりあえず、構想としては大体以下の通りである。

  • 今度買うRESTRAPのハンドルバーパックの寸法に合わせる

  • ステーをつけて耐荷重を上げる。そしてライトマウント。

  • ゴム紐を巻き付けるためのフックもつける。

まんまバッグマン。けどバッグマン高いからこんな思い切った改造は出来ない。

ちなみにクランプするとか簡単に言っているけど、そんなもん作れるのかと思うかもしれない。しかし安心してほしい。なんとMINOURAがこういう自分のアイデアを形にしろと言わんばかりのLWクランプという商品を出してくれているのだ!

トンデモ改造グッズ、もといアイデア無限大のグッズ。これならいろんなことが出来そうだ。

作ると決めたら道具と材料の買い出しだ!

 とりあえず、比較的導入しやすい被膜アーク溶接機がカインズに約2万円で売っていると調べたので(しかも家庭100Vで動くときた!いいぞ!)、カインズでパイプを曲げるためのパイプベンダーと一緒に購入。材料になる鉄の丸棒は外径6㎜のものがコメリで2mの長さで売ってあったので、鉄板と一緒に購入した。材料と道具で大体2万5千円くらい。ちなみに万力があった方がいい。我が家には万力があったのでそこは勘定に入れてない。

家に帰ってきて、早速、バッグが座る底板にあたる部分の寸法を計算してパイプベンダーで加工を開始したのである。

万力にパイプベンダーを挟んで曲げる。
挟まなくても曲げられるけど、挟んだ方が作業しやすかった。

曲げ角度と斜めの辺の長さを計算する場面で三角関数を使う機会が出て来た。当然、三角関数なんて忘却の彼方だから計算サイトを利用して割り出す。こういう時もっと勉強したらよかったと思ったり思わなかったりする。けどまさか自分が人生で自転車のキャリア制作に取り組むなんて想像もしてなかったからしょうがないね。

こうして何度かの試行錯誤を経て、あたりもすっかり暗くなったこと底板の骨組みが出来たのだった。うおぉー!どっかでみたよなフレームが出来上がったぞ!実際、完成が想像できるような形が目の前に現れると感動するもんだなぁ…

パイプベンダーすげぇ!とっても綺麗に曲がるぞ…!
しかしこの形、バッグマンで見た形状だ!

しかし、制作はまだまだこれから

 骨組みができたといっても、メインフレームが出来ただけなので、こっからまったくやったことのない溶接作業の開始である。とりあえず補強のためのサポートと箕浦の台座に固定するためのブリッジをつけてみようと思う。勿論、はじめから綺麗な物が出来上がるとは思ってないけど、自分の理想の旅装を作るって作業にいますごくワクワクしている。鋼材もすっごく安いし、これがうまくいってもあんまりだめでもアイデアをどんどん形にしていこうと思う。

上から見ると随分と不格好だ。きちんとブリッジとか溶接したらそれなりになるのかしら…
それも含めてワクワクしてる。

余談

今回は近所で手に入った外径6㎜の鉄丸棒を使っている。理由としては、バッグマンのフレームが6㎜だったというのもあるけど、単純に入手難易度が高くないっていうのは結構、重要だ。初心者だから沢山失敗するのは織り込み済みだ。

鉄の丸棒だと重くなるかなと思ったけど、中空パイプを溶接するのは高い技術力がいるだろうし、アルミの溶接にはTIG溶接が必要でそれはアルゴンガスが必要で導入コストが高くなりすぎる。鉄の丸棒は大体2mで400円くらいしかしないし、曲げやすくて加工もしやすいから今回は鉄の丸棒を採用したというわけである。

外径5㎜だとホンジョウの泥除けのステーと同じ径なので、いろんなアイテムが流用できそうだなって思ったけど、売ってなかったから仕方ない。あとメインフレームにするには多分、細すぎるのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?