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フロントバックサポーターを作ろう(2)

今までの作業

 制作一日目は、道具と材料を買い揃えて、パイプベンダーを使って買ってきた鉄の丸棒をサポーターのフレームの形に曲げるところまで作業が進んだ。そして二日目の今日は、クランプをねじ止めするためのブリッジやサポート、そしてステーを接続するための穴がある鉄を溶接するところから始まる。しかし人生で溶接のよの字もしたこともないし、勉強したこともない私が果たして溶接作業なんて出来るのだろうか…

綺麗に曲げれたフレーム。これだけで随分と楽しいものだ。

直流インバータ溶接機を開封!

 さて、カインズで買ってきたスター電器製造、SUZUKIDの溶接機を早速開封。この溶接機は親切で、家庭用100V電源で動いてくれるド素人のDIYの心強い味方だ。遮光用の面体も同封されてたりするところも実に親切だ。ペラペラの状態で面体が入ってるので組み立てたり、ケーブルのつなぎ方を確認して準備万端。

これを買ったからいよいよもって引き下がれないよね、というのもある。

 すべてが素人オブ素人。あまりに不安が過ぎたのだがマニュアルにアーク溶接の手順など一通りのことが書いてあって、溶接の一通りの流れは読めば分かった。まぁ、分かったからといって出来るかどうかは全然、別の話なんだけれどもね。

いざレッツ溶接!

とりあえずまずは、クランプとフレームを接合するためのブリッジを溶接することにした。ブリッジは昨日、買ってきた厚さ3㎜の平鋼を事前にカットしておいた。M5ネジを通すための穴もしっかり作っておいたので、いざ溶接だ。とても緊張するな…面体越しだと真っ暗だから、わきからチラ見して棒の位置を調整。そして恐る恐る棒を丸棒に近づける…丸棒に触れたその時…バチッ!

こんなのなんにも見えねーだろと思うくらい真っ暗だった遮光板越しでも明るいくらいのアークが散るのだった。うぉー!まさに溶接ってかんじだ!ちょこっとバチバチしてみるも、ぽろっと剥がれ落ちちゃった。あぁ…そんな。もう一回マニュアルを確認して、見るとどうも出力を低くしすぎてるみたいだ。今度は出力を上げでやってみよう。そうして何度かバチバチやって失敗してを繰り返して、ようやくできたのがこれだ。え?アニメの中で出てくる料理へたくそなキャラが作った料理か何かか?まさに暗黒物質…

なんとかコツをつかんで溶接完了。え?汚い?うるせぇ黙ってろ。
くっついただけでも既に感動している私がいた。

 冷えたのを確認した後、動かしてみたけどびくともしない。これは溶接成功だ!やった。はじめてくっつけることが出来て、(すっごく汚いけど)感無量だ…!この調子でフレームの中の支えになるサポートとステーを取り付けるための場所も溶接してしまおう!昨日びにょーんと余っていた、部分を切り落として、サポートとして溶接してしまおう。2m丸棒を余すところなく使えていていい感じだ。

フレームの中の支柱を二本溶接したところ。荷紐を巻き付けたりするための支柱だ。

フレームのサポートがついたら一気にラックみたいに見えてきた。なるべく慎重につけたつもりだけどちょっと斜めについてたりする。けどそこもDIYの味わい深いところだってドゥー・イット・ユアセルフ!の矢差暮部長も言っていたので気にしない。なにより、自分でこんなもの作ってるっていう高揚感の前で些細なガタつきなんてなんのそのだ。そうしてステー用の板をつけたりなんだりをして溶接の作業を終えたのだった。

悪戦苦闘したがどうにかこうにか溶接作業完了だ!
モノづくりに夢中になると大体あたりは真っ暗だ。達成感が心地いい。

クランプを装着!遂に見えてきた完成予想図!

さて、溶接作業が完了して、十分冷えたので早速、ミノウラのクランプをつけてみることにした。昨日、材料の買い出しに行ったときに手に入れていたM5ネジを使って、ミノウラのクランプに恐る恐るねじ止めする。一応何度かぐいぐい引っ張ったりしたけど、随分と頑丈になってるから大丈夫なはずだ…!

じゃじゃーん!クランプがきちんとついた!少し傾いてたりするが気にしない!いい感じ!

うぉーー!クランプをつけてみらた、これはまさに夢にまで見たフロントバックサポーターだ!すごい!私がRESRAPのバックの為に作った世界に一つだけの(ガタガタだけど)素敵なフロントバッグサポーターだ!

早速自転車に添えつけてみようかなとも思ったんだけど、あたりが真っ暗だったから自転車につけてみるのは明日にした。見た目はちゃんとしてそうだけど、実際につけて走ってみない事には、しっかりできたかどうかなんて分からない。けど、今はとりあえず形になったことを喜ぼう。

次は磨き作業とステーを作ろう

 とりあえず、溶接作業は無事に終わってよかった。金属を接合するってすごく専門的なイメージがあって、それを自分がやってるなんて不思議な気分だ。さて、次は溶接時に飛散した鉄の粒粒がたくさんついてるからやすりやグラインダーを使って綺麗にする作業をしないといけない。これでも十分使えそうだけど金属のギザギザしたりしている部分が残ってたらバッグを傷つけちゃうことになるからそこは丁寧にしないとね。

 後、クランプをつけるブリッジは溶接できたけど、ここに全部の負荷がかかるばっきし折れちゃいそうなので、磨き作業と並行してステーも作ろうと思う。さすがに3点で支えたらよほどのことが起きない限りは折れたりもしないだろう。

 溶接機は高かったけど、こんなことが自分の試行錯誤でいろいろできるんだから安い買い物だった。やっぱりDIYって楽しいね!

自分で作ったラックが目の前にあるだけで、なんとも言えない達成感だった。

余談

 今回、さらっと平鋼を切断したり、穴をあけたりしているが、我が家にはボール盤があったり、ディスクグラインダーがあったりと工具が充実している。それもそのはず、我が家の祖父が大のDIY好きだからである。

 それらがないと予算が跳ね上がりそうなんだけど、ホームセンターでは切断加工などをすごく安い値段で取り扱ってくれているので、祖父の道具がなかったとしても予算としては数百円分位しか差はないと思う。

じいちゃんの工具類。
こういった道具があるとなんかぐっと世界で出来ることが広がった気持ちになる。

 あと、溶接機だが今回は予算の都合上、直流コンバータ溶接機を買った。大体、自転車ラックと言えばTIG溶接のイメージがあるんだけど、TIG溶接はアルゴンガスが必要で、ガス代がそれなりに高い。勿論、溶接面がきれいになるっていうのは知っているけど、ずぶの素人なのでそもそもどの溶接で作ろうが汚くなること間違いなしなので、手ごろな価格で、それでいて手短に手に入るものがいいかなって思ったのだった。

安いけどきちんと溶接できたし何の不満もないな。何にせよ夢の道具って感じだ。
素人が自転車ラックを作るならこれくらいで十分という事なのかもしれない。

そんなにラックをバカすか作るってことはないと思うけど、楽しくなってきてもっと手の込んだものを作ろうと思ったら、他の溶接方法も試してみたくなる時が来るんだろうなと思うのであった。

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