蠱惑の円盤
ピストバイクに乗り始めて数日、右も左も分からないまま組み上げたピストバイクに乗ってあっちこっちを走って気になりだした。そうギア比が。寝ても覚めても、ギア比の事を悶々と考えてる。DEPOの取引先では安価なフリーギアの選択肢はVIVAの3/32フリーのみ。だったらPCD110チェーンリングを交換してチェックだとなった。円盤の魅力に取りつかれてしまった。
はじめにセッティングしたギア比(36t×18t)
先日組みあがったSOMA RUSE 乗ってみて早4日。組み上げた36T×18Tのドライブトレインの具合を見るために、平地を走ったり、小高い丘を登ってみたり、山に赴いてみたりと色々試してみた。
平地はやはり物足りない。もう少しスピードが出たらいいのになと思う。小高い丘を何度も登ったり下りたりするにはちょうどいい。けど下りは、漕げるようなギア比じゃない。ほとんどすることがない。そして山だがよっぽど酷い、例えば15%くらいあっても気合と根性でギリギリ登っていけるギア比だ。なんだか意図せず、全地形をそつなく走れるギア比になっていて、これはこれですっごく楽しい。
ただ、前述したとおり平地が如何せん遅い。毎分のケイデンスが90だと仮定して仮想の時速を割り出してみよう。式は、ギア比×ケイデンス×60分×タイヤ周長で出してみる。今使っているタイヤはチャオヤンのバイパー700×28cだが、測るのも随分と手間なので、キャットアイが公開してくれているタイヤ周長表をチェックしてみると、タイヤ周長は2136㎜だ。
つまり、90回転で約23㎞/hとなる。足が無駄に太くて重い私には、80回転くらいになりがちだから、その時は約20㎞/h、これだと遅く感じるの無理はないかもしれない。だとすればもうちょっと…もうちょっと速く走りたい!
やってきた46tチェーンリング (46t×18t)
というわけでチェーンリングを早速取り寄せて交換しようということで、激安の殿堂、TAIOGAチェーンリグを買うことにした。存在こそは随分と昔から知っていたものも、対応段数が7~9Sとあんまり使ってこなかった段数なので縁がなかったのだ。しかしこの度、晴れて購入する流れとなったわけだ、ありがとうタイオガキッド…(タイオガのマスコットキャラの名前)
さて、いっぱい種類があるのは知っていたが改めて表を見てみると40t~44tまでの丁数が飛んでるじゃないか!そんな…今どきは42tとか44tとかグラベル界隈で激熱だろうに…
ないものは仕方がないので46tを買うことにした。この時の私はどんぶり勘定で38tとか2丁重くなっただけだとそんなに変わらないだろと思っていたから、ラインナップの順番に従えば46tだ。しかし、さすがに46tは重すぎるんじゃないかという一抹の不安もあったのだが、参考にFUJIのピストバイクを見てみると、殆どが46tつけてるし、世間のスタンダードはここにありと見て商品が来るのを待ったのだった。
そして注文から3日、マルイからチェーンリグがやってきたので早速つけて走ってみることにした。
当然だけど、速くなった! しかし…
早速、チェーンリングを交換後、平地と小高い丘へ走り出した!うぉー!先日までゴキブリのように足を回さないと出なかった速度がいとも簡単に出てる!速い!速いぞ!そして懸念していたほど坂も辛くない…、5%から8%くらいなら速度がついてる状態ならぐいぐい登っていく!しかも下りでもしっかり漕げる!これは交換して良かった……とも言い難いのだった。
前述した計算式でいくと46t×18tのケイデンス90では、約29.5㎞/hとなる。あれ、これはあまりに速過ぎる。当然、漕ぎ出しはそれなりに重くなる。今まで軽快なスタートに慣れていたのでなおさらかもしれない。
そして8%程の傾斜を登っていてわかる。先日行った神社に行くのはどうも無理そう(もしくは限りなくきつい)。私のウェイトがもっと軽くなればこれでもよさそうだけど、登坂は絶望的だ。うーん、少し平地に重点を置きすぎちゃったみたいだ。
これからも続く円盤探求
だったら他のやつ試すしかない。ちなみにこの46tのチェーンリングを買ったのだって無駄じゃないぞ。これで自分の中で尺度が出来たわけだ。尺度がないとギア比選びは難しいけど、36tと46tの目安のおかげで次は何を買えばいいのか指針がたったのだった。
次は登坂出来たらいいなっていうのと、80ケイデンスで24㎞/h位出たらいいなって思うので、42tかなと思う。それかもっと足を頑張って回せるようにして40tくらいかなと思う。まぁ、最後は結局、全部買って揃えてそうな気もする。
ただこの円盤選びの時間が、自分のライディングスタイル、RUSEに求めているもの、そしてRUSEが一番生き生きするセッティングを探す問答みたいなものだと思うので、ゆったりと走りながら探していこうと思う。楽しいね、自転車は…
余談
今回、正しい長さにしたくてフィキシングボルトを購入したのだが、アデプトのフィキシングボルトを購入した。一応説明しておくと、フィキシングボルトとは、チェーンリングとクランクを接合するためのボルトで、大体3種類くらいの厚さがある。ジャンクのクランクについていたのは、多分6.5㎜のもので当然薄刃を留めるには長すぎるので謎のワッシャーがかませて留めてあった。薄刃一枚を留めるなら4.5㎜のもので十分だ。
ただし、例えばチェーンガードをつけたいとかあるだろうから、そういう時は、フィキシングボルト用のスペーサーとかを使ってチェーンが駆動する分の空間を作ったりする。そうなると余計に長さが必要になるので、7.5㎜のものがあるわけだ。(あとトリプル用とかね)
発注するときは取り付け部の厚みを計測して買うといいと思う。ちなみに6.5㎜を超えてるなら6.5㎜、6.3㎜とかなら4.5㎜を買ったほうがいい。当然だけど、6.5㎜じゃ6.3㎜はぐらぐらして固定されない。あんまりネジのかかりが浅いと駄目だろうから、その時はスペーサーで調整するしかないんだろうな。
あと、スペーサーでチェーンラインを微妙に調整したりすることもできなくはない。まぁ、そんなことするくらいなら適正な軸長のテーパースクエアBBを買ったほうがいいと思うけれども…