「PV至上主義」から逃げてはいけない
質の低い記事を量産してPVを稼ぐという意味での「PV至上主義」と、広告媒体として成長するために必要な「PV至上主義」は別モノだ。そろそろ私たちは、PVから逃げてはいけない、という話を書きます。
以前の記事でもお伝えしたとおり、西宮流 (にしのみやスタイル) ではこれから広告事業を始めようとしています。そこで今まさに媒体資料を作っているわけですが、ウェブメディアのデータとしてPV (ページビュー) 数を書くところにきて「ええ〜、うちってこんなもんなのか…」と寂しくなってしまいました。
そんな折に読んだのがこちらの記事。
参考記事は私たちなんかよりもっと、人もお金も大量に流れている世界の話をしているだろうので、鵜呑みにできるわけではないけども、すごく大事なことが書かれていました。
質の低い記事を量産してPVを稼ぐという意味での「PV至上主義」と、広告媒体として成長するために必要な「PV至上主義」は別モノだ。
若干、西宮流のメンバーにこそ理解しといてほしいと思って書いている節もあります。
質の低い記事を量産してPVを稼ぐという意味での「PV至上主義」
「PV至上主義」と聞いて私たちが真っ先に思い浮かべるのは、内容の薄い記事やゴシップ、取材もしない憶測記事などを1日に何度も投稿する手法でPVを伸ばし、画面が自動広告だらけの忌むべきブログサイト、みたいなイメージです。
当然、私たちはこういう手法が嫌いです。あんなのはやりたくないよね、とはこれまで私たちのミーティングの中でも何度も出てきたセリフです。
私たちと同ジャンルのローカルメディアで「そういう手法」を実践していそうなところもあり、何かを思い浮かべた方もいるかもしれませんが、disる意図ではなく、単に私たちはその手法が嫌い、という話です。
広告媒体として成長するために必要な「PV至上主義」
そうやって「PV至上主義」を忌み語扱いしてきた私たちですが、一方で広告媒体としての「PV至上主義」もあり、冒頭に挙げた参考記事のおかげで気づいたわけですが、それは必要ことなんだと思い至りました。
ウェブメディアに広告を出そうと考えているお客様にとって、当然、そのメディアのPVは多いほうが嬉しいに決まっています。見ている人が多ければ反響が得られやすいからです。
また、広告枠を売る側にとっても、PVが多いほうが価値が高いので、高く売ることができます。
つまりPVを伸ばすことは、お客様に対するサービス向上であり、私たちの価値を高めることでもあります。広告媒体資料に「うーんこんなもんかあ」というPV数を書かねばならない状態よりも「こんなに見ていただいているメディアなんですよ! どうですか?」と自信を持っておすすめできるほうが、お客様も私たちもハッピーでしょう。
いろんなウェブメディアの媒体資料を参考に見てみました。とても華々しくPV数を書いてある資料もあります。それだけ、PVは大事な指針なんですね。
私たち西宮流は去年、組合から正式に営利企業になり、これから広告事業も始めていこうとしています。メディアとして成長するために必要なほうの「PV至上主義」に向き合っていかなければ。もう逃げることはできないと思いました。
イラストレーターでよくある「営業したくない」問題に似ている
イラストの世界でも似たようなことがあったな、と思いました。
以前の記事で書いたように、私は元イラストレーターですが、他のイラストレーターに仕事のアドバイスをしていた時期があります。どうやったら企業から仕事の依頼を請けられるようになれるのか? というようなことです。しかし一部のイラストレーターは、そうしたアドバイスを求めて聞きにきたはずなのに、絶対に受け入れようとしませんでした。
その理由は「営業っぽいことをすると私の世界観が壊れる」というものです。別にそんなことはないのですが、「私の世界観」に異様にこだわっているのです。
西宮流と「PV稼ぐ」の関係性も、これにとてもよく似ています。
西宮流は今まで「私たちの世界観」にこだわってきました。そこには、PVを追いかけると、私たちの世界観は壊れてしまう、みたいな思い込みがあったと思うのです。
「(質の低いメディアの) PV至上主義」への嫌悪が強かったために直視を避けてきましたが、でも本来は「私たちの世界観を守りつつ、PVも伸ばす」を目指せばそれも可能なはずです。
どうやってPVを伸ばしていきましょうか?
ではどうやってPVを伸ばしていきましょうか? という話ですが、中身の薄い記事を量産・連発する手法は結局嫌いなのでやらないし、そもそも中の人の体力的にそういう体制作りは難しそうです。
となると、ひとつの記事に制作が多少時間がかかっても、数年間読んでもらえるような記事を狙っていくことしかありません。
実は西宮流は以前からそういう方向を目指してはいるのですが、圧倒的に物量が足りないのが問題です。多少金銭的に無理をしてでも協力者を募ってブーストするしかないのかも。ここはこれから判断していくつもりです。
脱皮する成長痛はあるかもしれない
というわけで、私たちは今後、広告媒体として成長するために必要な「PV至上主義」から逃げないようにしたいと思うわけですが、そうするとおそらくこの先、うまくいかない仕事や、仕事の質の変容を経験することになるのだろうと思います。
イラストの仕事もそうでしたが、自分の好きな作品を作るだけのところから、事業として依頼を受けて制作するように変わっていくと、仕事の質の変容が起こります。趣味で描くとうまくいくのに、同じことでも依頼されてやるとうまくいかなかったりします。
おそらく、ウェブメディアでも似たようなことがあるのだろうと想像します。
失敗はしないに越したことはないですが、かといって恐れていては何も動かないので、小さな失敗は許す気持ちを忘れずにやっていきたいと思います。
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