事務事業評価「外部委員の評価」を公開して下さい~行政改革④

「西宮市の事務事業評価」は、NHK党の浜田参議院議員に「優れた自治体の事例」として国会質疑で取り上げていただき、岸田総理からは「事務事業評価を参考に見てみたい」との答弁を引き出すことになりました。さらに総理官邸での行革会議で、西宮市をはじめとする自治体の事例を参考に行政レビューを改定することになりました。

一方、「西宮市の事務事業評価が機能しているか?」というと、そこには疑問が残ります。「膨大な事業数」や「前例主義で継続されている事業」などが減る気配や改善される気配は見られません。特に、PDCAサイクルの「Cの評価」において「市民感覚から外れている」と感じられるものが数多く見受けられます。
 
西宮市の「事務事業評価に対する取組み」は「西宮市行政経営改革」にまとめられています。特に、「2020年の西宮市行政経営改革前期実行計画」では、「具体的な取組項目」が「取組1~取組78」まである中で、事務事業評価は「取組1と取組2の冒頭」で取り上げられています。これらの内容を以下に抜粋します。

2019年の西宮市行政経営改革基本方針」では「PDCAサイクルによる事務事業の適切な評価などを通じて、事業目的に沿った成果志向の事業推進を図る」という方針を出しています。

西宮市行政経営改革基本方針2019 P5

「基本方針」をもとに作成されたものが「2020年の西宮市行政経営改革前期実行計画」になります。
 
取組1 ◎行政評価の見直し」において「事務事業評価についても、効果的・効率的な実施に向け、評価シートの改善や評価者向け研修の強化などについて検討する。」としています。

取組2 ◎事務事業の棚卸し」において「成果に基づく事務事業の見直しのきっかけとするため、外部委員による外部評価(事業検証)を行う。」としています。

西宮市行政経営改革前期実行計画2020 P6

「前期実行計画」の進捗状況を確認したものが「2021年 西宮市行政経営改革前期実行計画の進捗状況」になります。
 
取組1 ◎行政評価の見直し」の取組成果として「行政評価手法を見直すため、他市の事例等について研究した。」と挙げています。

また、「取組2 ◎事務事業の棚卸し」の取組成果として「コロナに伴う庁内業務量の増大のため、事務事業棚卸しを次年度に繰り延べた。外部委員による棚卸し事業数160事業 ※3年間で全事業の見直し完了」と挙げています。

西宮市行政経営改革前期実行計画の進捗状況2021 P2

まとめると、「PDCAサイクルによる事務事業の適切な評価などを通じて、事業目的に沿った成果志向の事業推進を図る」=>「成果に基づく事務事業の見直しのきっかけとするため、外部委員による外部評価(事業検証)を行う。」=>「外部委員による棚卸しを行い、3年間で全事業の160事業を見直す」とのことです。
 
つまり、今までの「事務事業の評価を内部組織で行っていた」ものを「評価は外部委員によって行う」ということになります。この取組みは、今までの事務事業評価に欠けていた外部評価が加わるため、効果が期待できます。ただし、「160もの事業を見直す外部委員」は、「市役所内部や関係者」ではなく、「市役所との利害関係を持たずに第三者の視点で意見できる」ことが重要だと思います。「外部委員が評価した内容」は、ホームページなどで公開して下さい。


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