「もみじ理論」
大学生活で最も時間を費やしたのは何かと言われれば、スプラトゥーン2が挙げられる。もちろん睡眠などの方が長いけれども、「Q,大学生活で最も時間を費やしたのは?A,睡眠です。」は、もうソレ大抵の人そうじゃん!ということになってしまう。そのため継続力のある活動において言えば、やはりスプラトゥーンということになる。
前置きが長くなったが、そんな愛すべきゲーム、スプラトゥーンは様々なブキの中から一つを選び、ステージを味方の色のインクで染め上げるゲームである。そのチームの色を塗るという行為が、特定のルールで勝つ条件を満たすためだったり、相手を単純に倒すことに結びついているため、戦術が状況に応じて大きく変化するゲームだと言える。戦況を分けるのは、使用するブキによるところも大きく、私は「もみじシューター」を愛用している。
もみじシューターの特徴は、他のブキに比べて足元が塗りやすく、塗りにムラが生じないことが挙げられる。全体として塗り性能が高いのが長所だと言える。その反面、インクが届く距離は全ブキ中下位に属し、一発一発の威力が弱いといった弱点が存在する。
つい先日、「三種の神器」と呼ばれるブキ三種が運営によって弱体化を受けた。この三種は長きに渡り、プレイヤーたちの反感を買うほどの性能を有していた。そのため、弱体化の情報が出た時には、三種の神器の被害者達が赤飯を炊いて喜びを分かち合ったとかないとか。冗談はさておき、こうしたパワーバランスに応じた調整は定期的に行われ、特定のブキが強くなる場合もある。では、私の愛用するブキ「もみじシューター」について言えばどうだったのか。そう、何の音沙汰もなかったのである。
計画通り!!!(デスノートより夜神月登場)
そ、それでいいんですか?と思われるかもしれない。しかしながら、強くなることも弱くなることも、それらはどちらにしろゲームをしているプレイヤーの目に留まることになる。そして、それは同時に対策を練られることに通じるリスクが存在する。目立たないこと、それがタイトルにも通ずる「もみじ理論」の中核を担っていると言ってもよい。
スプラトゥーンというゲームでは、相手のインクを踏むことが命取りになる場合が多い。身動きが大幅に制限され、そこを狙い撃たれるためである。逆を言えば、自色インクの面積が広い限り、味方は自由自在に動くことが出来る。もみじシューターの特徴は先述した通り、塗り力の高さにある。この塗り力の高さは、味方の足場を確保するという重大な役割に適している。ブキの中には重いために逃げにくいものや、足場を全く塗れないものも存在する。一方で、それらのブキは相手を倒すことに十分な威力を保持しており、勝利を手にするためにはなくてはならない。彼らがよりよく動ける環境を作ることは、決して無駄な行動ではないと言える。
詰まるところ何が言いたいのかと言えば、もみじシューターは黒子テツヤだということである。おい!説明するの面倒くさくなったからって、アニメキャラで例えて終わりかぁ?などと投書、クレームが殺到しかねないが(それくらい多くの人に読んでもらいたいという願望)、待ってほしい。黒子テツヤがどういうキャラかと言えば、バスケ漫画の中で、限りなく影が薄く、その影の薄さを生かした巧みなパスをおこなう、幻のシックスマンである。彼は味方の得点を促し、相手の意表をついて奇襲をかけるという役割を担っている。それはまさに我らがもみじシューターが理想とする動き方なのだ。味方の得点を促すことは味方が相手を倒すこと、つまり味方の足場を確保することに通じている。では、意表をつくことをもみじシューターは出来るのか。
もみじシューターには、ロボットボムという犬っころのような爆弾がセットになっている。コイツはとても人懐っこくて相手を追いかけていく機能がある。しかしながら、ボムである宿命を背負っているため、ついて行った先で爆発する。これが相手からすると何とも迷惑なのだ。こちらが相手の死角からボムを投げやったとしよう。相手は一呼吸置こうと一歩下がった、その瞬間に実は足元にボムが寄って来て爆発、なんて被害届はゴマンと提出されている。回避不可能な爆弾ほど恐ろしいものはないだろう。私はこのボムを投げることに関して言えば、それこそ五万回と投げたかもしれない。寒いギャグはアイスブレイク的なものとしてむしろ歓迎すべきものかもしれない(すいませんでした)。
もみじシューターの到達点、それが黒子テツヤにあるということが伝わったと思う。それは味方戦力の向上と、相手の意表をつく二つの共通点から導き出された答えであった。しかしながら、もみじシューターで立ち回る「もみじ理論」の最も重要な点は、生存を第一に考えることである。黒子のいない誠凛高校は果たして全国大会に出場することができただろうか。促す、意表をつくというのは、黒子がいて初めて成立する。「監督、ボクもう疲れたんで、第三クォーターからは出ません」などと自主退場を決め込んだ日には、黒子はチームから村八分を食らったに違いない。それと同じように、もみじもステージにはなるべくいなければならない(村八分を食らわないためではない)。たとえ、敵を倒していなくても、状況が悪くなったとしても、いつでも味方が本領を発揮できるようにスタンバイしていなければならないのだ。
遠いところから一発で仕留めるブキもあれば、左右にステップを踏んで敵を翻弄するブキも存在する。そういったものと比べれば、もみじは圧倒的に華はない。しかしながら、お前たちが自由に動けてるのは誰のおかげかな?とひとたび視点を変えてみれば、まさにそう、影山飛雄爆誕である(この人どんだけジャンプ漫画で例えるんだよ、とか言わない!)。え、影山はそういう態度だったからチームに馴染めなかった???
勝てばよかろうなのだァァァァッ!!(ジョジョよりカーズ登場)
結論を述べよう、「もみじ理論」とは、もみじシューターを使う上で、黒子テツヤ的立ち回り、影山飛雄的態度を徹底した勝利への方程式だと言える。威力が弱い、射程が短いなどと悲観ばかりしてはならないのだ。そう、最後にこの人の言葉を借りよう。
競うな 持ち味をイカせッッ(バキより範馬勇次郎登場って最後ジャンプじゃないんかいィィィィ)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?